大手監査法人の直近の決算を取り上げた記事。あらたを除き厳しい決算だそうです。(監査法人も会社ですから「者」ではなく「社」でいいようにも思われますが)
「13日出そろった2018年度の決算では、EY新日本監査法人など3者が前の年度比で経常減益だった。人工知能(AI)の活用に向けたシステム投資や人件費上昇などの負担が重くなっている。監査業務の複雑化に伴い、企業から受け取る監査報酬は増加。4者とも増収となったが、採算改善にはつながっていない。」
新日本は、経常利益が6割減っていますが、「人材獲得に向けて会計士の報酬の引き上げを進め、AI監査の実用化に向けたシステム開発費もかさんだ」とのことです。
トーマツの経常利益も4割減少しています。「IT(情報技術)分野のエンジニアやデータサイエンティストといった新たな専門人材の採用を増やしているため」、「サイバーセキュリティー対策強化などの費用は3割強増えた」とのことです。そういえば、金融庁(公認会計士・監査審査会)のモニタリング基本計画でも、「サイバーセキュリティ問題は監査法人にとって経営上の大きなリスクとなっており、IT化の進展に併せて、サイバーセキュリティの強化を確実に行っていく必要がある」といっています。
大手の中では、あらただけが増益ですが、「負荷軽減に向けた人員採用などが一服した」のだそうです。
売上については...
「監査大手は業務で求められる水準が質量とも高まっているため、案件を精査し、顧客数拡大にはやや慎重姿勢を取る。半面、案件ごとの監査報酬は増加傾向にある。」
監査法人も利益は大事なのでしょうが、監査法人の出資者である社員(パートナー)は、法人から報酬(法人にとっては費用)を受け取る立場でもあります。法人が儲かっているかどうかについては、社員報酬を差し引く前の数字も見るべきだと思いますが、各法人の計算書類上、従業員の人件費との区分表示はされていないので、そういう数字の把握は、外部からは困難です。公認会計士法施行規則を改正して、社員報酬を独立表示するようにすべきでしょう。
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