破綻した米シリコンバレー銀行(SVB)は、KPMGが監査していたという記事。
「KPMGは2月24日、SVBを傘下に擁する金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループを対象とした監査報告書に署名した。SVBは3月10日に破綻。預金引き出しの急増によりSVBが現金不足に陥る恐れが高まったことを受け、米連邦預金保険公社(FDIC)が同日に管理下に置いた。
SVBとシグネチャーが抱えていた問題をKPMGが見落としたかどうかを判断する上で重要な手掛かりとなるのは、取り付け騒ぎが本格化した時期と、両行の経営陣とKPMGの監査担当者が危機を認識した時期という二つのタイミングだ。」
「KPMGの広報担当者は顧客との守秘義務を理由に、特定の監査に関するコメントを控えた。同社は声明で、監査完了後に発生した問題については責任を負わないと述べている。」
基本的には、決算数値が正しいかどうかということと、取り付け騒ぎが起きて銀行が破綻することは、別問題なので、監査人の責任とはいえないでしょう。ただ、ゴーイングコンサーンについて、監査報告書でふれるべきだったかどうかは問題になりそうです。そこでは、監査完了日である監査報告書の日付が重要となります。(ふれていれば、監査報告書が明らかになった時点で報道されていたでしょうから、ふれていない?)
もちろん、決算数値(注記含む)に問題があれば、監査人の責任も当然問われます。
「シグネチャーバンク」という破綻した別の銀行も、KPMGが監査人です。「シグネチャーバンク」の方は、3月1日に監査報告書にサインしていました。
KPMG US auditors signed off on Silicon Valley Bank, Signature Bank (FINANCIAL REVIEW)
Auditors at KPMG US gave Silicon Valley Bank and Signature Bank gave unqualified audit opinions only weeks before both financial institutions collapsed.
Separate 10-K filings with US regulator the US Securities and Exchange Commission outlined how both were signed off by the big four firm, which has been the auditor of Silicon Valley Bank since 1994 and Signature Bank since 2001.
KPMG’s auditors signed off on Silicon Valley Bank’s 2022 accounts on February 24 and on Signature Bank’s 2022 accounts on March 1. US regulators shut Silicon Valley Bank on Friday (Saturday AEDT) after a run on the institution’s deposits, and closed Signature Bank on Sunday (Monday AEDT).