日本公認会計士協会は、監査基準委員会研究報告第4号「監査品質の枠組み」を、2015年5月29日付で公表しました。
「監査人の監査品質の継続的な改善に資するため、国際監査・保証基準審議会(IAASB)において公表された“A Framework for Audit Quality”を基に、我が国において監査品質に影響を及ぼす要因を加味して体系的に取りまとめたもの」とのことです。
約40ページの報告書です。
公開草案から変更された部分も若干あるようです。
今後監査の品質を語る場合には、この枠組みの、どの部分の、どのレベル(監査業務レベル、監査事務所レベル及び国レベル)の話なのかを意識する必要があるでしょう。
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(報告書より)
協会のプレスリリースでは、コーポレートガバナンス・コード公表などを挙げて、「今後、監査品質及び監査品質に影響を及ぼす要因に関する議論の機会が増えることが想定される」と述べています。そのような議論に便利と思われるのが、報告書の付録「インプット要因及びプロセス要因の具体的な項目-監査業務及び監査事務所レベル」です。会社側が、監査事務所における監査品質を評価するチェックリストとして使えそうです。逆に監査事務所側としては、監査品質をアピールしようとするのであれば、ここにかかれている項目(抽象的なものもありますが)を説明できないといけません。(従来からある監査品質管理基準と重複しているような項目も多いので、難しい話ではないでしょう。)
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