WeWork Japan民事再生 ソフトバンク事業承継で変わらず運営
WeWork Japanが、民事再生の申立てを行ない、開始決定を得たという記事。
ソフトバンクが、完全子会社を通じて事業を承継するそうです。
「今後はWeWork Japanの全事業を、ソフトバンクが新たに設立した100%子会社「WWJ株式会社(ダブルダブルジェー)」に対して、吸収分割の方法により移管する。事業に係る債務については、吸収分割の実行前はWeWork Japan、吸収分割の実行後はWWJ株式会社が引き続き支払う計画で、現在WeWork Japanが契約中の賃借物件の賃料を含め、遅滞なく支払いを実施する予定。」
ソフトバンクが支援しなければ、入居者は保証金が戻ってこなくなるなどの損害を受けたかもしれませんが、今回は大丈夫のようです。
ソフトバンクからプレスリリースが出ています。
ソフトバンクがWeWork Japanの事業を承継~ソフトバンクがWeWork Japanの事業を全面的に支援~
「事業承継に向けたプロセスとして、WeWork Japanは本日、東京地方裁判所へ民事再生の申立てを行うとともに、開始決定を得ました。WeWork Japanはスポンサー型による再生スキームを目指しており、ソフトバンクがスポンサーとなる旨の基本合意書を本日、両社間で締結済みです。今後はWeWork Japanの全事業を、ソフトバンクが新たに設立した100%子会社「WWJ株式会社(ダブルダブルジェー)」に対して、吸収分割の方法により移管する予定です。また、事業に係る債務(再生債権となるものを含む)については、吸収分割の実行前はWeWork Japan、吸収分割の実行後は「WWJ株式会社」が引き続き支払うことを計画しており、現在WeWork Japanが契約中の賃借物件の賃料を含め遅滞なく支払いを実施する予定です。
吸収分割による子会社「WWJ株式会社」への事業移管の完了は、WeWork Japanの民事再生手続きにおける監督委員の同意や裁判所の許可、関係者の合意を条件として、2024年4月中を見込んでいます。
親会社であるソフトバンクグループの投資の失敗の尻ぬぐいを、なぜ上場子会社が引き受けないといけないのでしょう。親子上場の悪い面が出ています。孫社長にごみを押しつけられたわけです。
新型コロナの影響があったとはいえ、民事再生申し立て前の経営状況はひどかったようです。
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民事再生のWeWork Japan、100億円超の連続赤字(東京商工リサーチ)
「2月1日に民事再生法の適用を申請したWeWork Japan合同会社(TSR企業コード:017839289)の債権者は2,708名で、負債総額は157億2,148万円だった。東京商工リサーチ(TSR)が入手した民事再生申立書により判明した。」
「WeWork Japanは、2017年に日本で事業を開始して以降、積極的に拠点を増やした。2019年時点ではオフィス稼働率は平均して8割を超えていたという。ただ、急速な業容拡大に向けた多額の先行投資は多額の資金が必要だ。このため、社員(合同会社への出資者)による資本注入で資金繰りを維持してきた。
しかし、コロナ禍でオフィス需要が減退し、入居者となる会員獲得に向けた営業活動が制約された。一方、物件オーナーと契約後、実際に拠点として開設するまでは1年以上が必要で、コロナ禍前に契約した10拠点が新規開設されるなど、費用負担は増していった。物件オーナーへの家賃支払いが増加するなかでの会員獲得の遅れは損益に大きく影響した。
WeWork Japan の業績は、2020年12月期が売上高259億9,034万円に対して、最終赤字74億881万円だったのに対し、2021年12月期は売上高222億8,518万円、最終赤字110億7,936万円、2022年12月期は売上高259億7,513万円、最終赤字211億2,347万円と加速度的に赤字が膨らんだ。」
「申立書によると、債権者は2,708名に対して負債総額は157億2,148万円。ただ、2022年12月期の負債合計は461億3,184万円で、申立書上の負債総額とは300億円超の差が生じている。」
400億円超の負債があったのに、合同会社というだけで、何の開示も行われていないのでしょう。会社法がおかしいのでは。