東京電力が、福島第1原発から出た放射性物質による地下水汚染を防ぐ「遮水壁」の基本設計を発表したという記事。
「東電によると、遮水壁は鋼鉄製で長さ約22メートルの矢板を長さ800メートルにわたって約600~700本埋め込む。既設の護岸との間(約10メートル)は、コンクリートで埋め立てる。放射性物質を模した粒子を使って汚染防止効果を調べたところ、海洋への流出はなかった。耐用年数は30年としている。」
耐用年数30年ということなので、たぶん立派な構造物なのでしょうが、会計的には、資産にはできません。放射性物質拡散防止などの原発事故収束費用を見積もった引当金の金額の中に含めたうえで、実際に建設工事が行われれば、その金額だけ引当金を取り崩していく処理になるはずです。
また、遮水壁を使って放射性物質を閉じ込めなければならない期間が、例えば90年必要だとすると、遮水壁を1回建設するコストだけでなく、30年後と60年後に更新する際の費用も引当金に含める必要があるでしょう(その際割引現在価値にすればある程度小さな金額にはなると思いますが)。
福島第1、原子炉の核燃料搬出は10年後(日経)
10年ですめばよいのですが、これから「高度な技術開発が必要になる」そうですから、どうなるかわかりません。もちろんこの費用も見積もって引当金に含めます。
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