ノアコインというあやしい仮想通貨に関わっているグループが東証2部上場企業を買収しようとしているという記事。
「仮想通貨大国・日本のなかで、怪しさも知名度も発行規模も最大級と言っていいのがノアコインである。...
そのノアコインが、ケイマン籍で東証2部に上場するビート・ホールディング・リミテッドに、6月8日、大胆な株主提案を行ったことで証券界は賑わった。翌営業日の11日、12日と、商いを伴って急騰。12日はストップ高の763円を記録した。」
フィリピンの貧困問題を解決するためのプロジェクトというふれ込みで、セミナーを開催し、金集めをしていたそうですが、フィリピン政府などはプロジェクトへの関与を完全否定し、投資への注意喚起を行ったそうです。
「しかし、ノア・ファウンデーションなどノアコイングループは諦めない。「アナウンスが過剰で、誤解をさせる表現があった」と、認めたうえで返金に応じるなどして低姿勢を貫き、逆に挑戦するように18年6月12日のフィリピン建国記念日という上場予定を3ヵ月前倒しして、香港のHitBITなどに上場した。
そのうえで、ビート・ホールディングスの新株予約券(「権」?)をグループのノア・アーク・テクノロジーでCEOを務めるレイエス氏などが取得した。すべて行使すれば、発行済み株式の15・8%を保有する大株主となる。そして、6月8日、ビート・ホールディングスに対して行ったのが、以下の提案である。
まず、社名変更について。ビート・ホールディングス・リミテッドを、ノアコイン・グルーバル・リミテッドにすること。
次に、すべて行使して300万株の持ち分をさらに増やして1000万株にするために、私募によって700万株を割り当てること。発行総額は7万7000ビットコイン以内(約646億円)で、1株当たり9224円以内と、相当な意欲を見せている。
こうして支配権を手に入れ、最大4名の取締役を送り込むという。」
そして、仮想通貨取引所の世界展開やICOによる約10億米ドルの資金調達などを提案しているそうです。
ターゲットとなっている企業は...
「ビート・ホールディングスの旧社名は新華ファイナンス。ネットバブルの崩壊で東証マザーズが株価低迷と欧米企業の撤退に悩んでいた時、中国の急成長に目を付けた当時の東証理事長が、中国国営通信・新華社と資本提携。新華ブランドを社名につけることを許された新華ファイナンスを誘致し、04年10月、「中国系第1号」として上場させた。
だが、内実はお寒い限り。香港を拠点に中国の金融情報を配信するのが目的だったが、創業メンバーの米国人経営者らが、11年、詐欺行為などの容疑で起訴され米国で有罪判決を受けた。経営権は中国人経営者に移り、現在に至るが、2期前が8.8億円の売り上げで3.3億円の経常欠損、前期が11.5億円の売り上げで2.8億円の経常欠損と芳しくない。」
会社のウェブサイトを見ると、ケイマン諸島に籍を置く会社で、香港に事業本部があります。直近の四半期報告書(2018年1-3月)では、ゴーイングコンサーンの注記がついています(監査人は清和監査法人)。
6月14日付けのプレスリリースによると、Noah Ark Technologies Limitedという会社が、個人から新株予約権を取得し、14日までに全て行使したそうです(行使後の持ち株比率は15・8%)。
仮想通貨であやしい金集めをしているグループが、公けの株式市場をも浸食しようとしているということでしょうか。
主要株主の異動に関するお知らせ
ほぼ宣伝記事のようです。
↓
フィリピンNo.1仮想通貨『ノアコイン』! 利用範囲の拡大や基軸通貨戦略など、建国記念日に大発表(Niftyニュース)
「この株主提案は言うなれば、Noah Ark Technologies Limitedがビート・ホールディングス・リミテッド社の株の過半数を取得するという提案となり、東証2部上場企業を母体として、今後アジア圏を中心に「NOAH GLOBAL EXCHANGE」というノアコインを基軸通貨とした取引所を世界展開していく予定というもの。この取引所では世界32言語を用いたコールセンター等も完備した安心・安全に使用出来る取引所を目指し、世界中にノアコインを流通させていく狙いのようだ。
これらは仮想通貨業界における揺るがぬ信用を約束するものとなり、業界への貢献を促すとともに、日本初のクリプト会社による上場企業買収案件となることに、仮想通貨業界の枠を超えて株式の世界からも注目と期待が寄せられている。株主提案の発表を受けて、ビート・ホールディングス・リミテッド社の株価は急騰。昨日6月11日もストップ高となった。Noah Ark Technologies Limitedの株式取得が発表されてからわずか1カ月程度で、ビート・ホールディングス・リミテッド社の株価が400%以上も上がっていることは、まさしくノアプロジェクトへの大きな期待の表れであろう。」
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