会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

スカイマーク元社長が初めて語る経営破綻の真相(JBpressより)

スカイマーク元社長が初めて語る経営破綻の真相
カリスマ経営者、西久保愼一氏はどこでつまずいたのか


2015年に破綻したスカイマークの元社長に「どこで経営の舵取りを誤ったのか」を聞いた記事。

前半は、スカイマークの経営に参画し、立て直しに成功するまでの話です。その部分を読むと、元社長が経営者としては優秀な人だったということがわかります。

しかし、大型投資計画の失敗で躓いてしまいました。ワンマン経営になってしまっていたようです。

「その余勢を駆って打ち出したのが、エアバス社の超大型旅客機A380の導入計画だった。世界最大の旅客機を6機、カタログ価格ベースで計1150億円にも上る大型投資計画だった。後に、支払いの見通しが立たずに導入を見送ったことで、エアバス社から巨額の違約金を求められ、スカイマーク破綻のきっかけになってしまうプロジェクトだ。」

「「あれは完全な失敗でした。もともと僕の発案でしたが、プランの段階で止めておくべきでした。

僕はかなり手荒な社内改革をやって、それから会社が上手くいきだしたわけです。そうしたら、社員がほとんど僕に逆らわなくなってしまっていた。社長を辞めてから気が付きましたが、僕はその時点で『裸の王様』になっていたんです。

会社が順調な時には、周りが従順な人間ばかりになっていることに気が付きにくい。物事がすんなり進んでいきますからね。だけど、これも後から気づいたことですが、そのうちに実態とは違う報告が上がってくるようになっていた。『順調に行っています』なんて言っているのに、実はある部分についてはトラブルが起きていたり。

A380の導入を言い出した時も、誰も反対しなかった。『それは素晴らしい。絶対いけますよ』なんてね。気づかなかった僕のミスです。後から考えれば、リスクも多いし、僕らにこなしきれる仕事ではなかったんです」」

その後円安や予約システムへの不正アクセスのために赤字に転落します。

「一転、赤字経営に陥ったスカイマークに、A380を導入する余力はなくなった。機種変更などを打診するも、エアバス社から送られてきたのは巨額の違約金請求だった。

「迂闊と言えば迂闊ですが、違約金を求められるまでは会社が破綻するとは思っていませんでした。銀行からの借入枠を結構持っていましたから。

ところが違約金請求が来た途端、中間期決算で監査法人からゴーイングコンサーンの注記を付けられてしまった。そうなると増資もできないし融資も受けられない。そこからはあっという間でした」」

監査法人もゴーイングコンサーンを付けたくて付けたのではないと思いますが...。

「改めて今、スカイマーク時代を振り返ってどう感じているのか尋ねてみた。

「一生懸命やってはいましたが、会社が上手く回り始めた時点で離れるべきでした。会社を立て直して、5年くらいで退けばよかった。その間に、後を引き継いでくれる人材を一生懸命探すべきでした。

それができなかったために、株主の方には本当に迷惑をかけてしまった」

経営者は結果で判断される。経営破綻を招いた西久保の経営責任は、もちろん大きい。だが、莫大な個人資産を差し出して経営にあたり、倒産寸前の会社を、一時は見事に再建してみせた。それも事実だ。」
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