7月8日の日経にIFRSに関する社説が掲載されていました。先月に金融庁から公表された「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」の内容にもふれていますが、IFRS導入に関するはっきりした見解は示しておらず、誰も反対しない最大公約数的な一般論を提言しています。
「日本と国際会計基準づくりの関わりには、浅からぬものがある。国際会計基準審議会(IASB)が01年に発足して以来、日本の代表者はずっとメンバーに名を連ねてきた。09年に設立されたIASBの監視組織は金融庁の幹部が議長を務める。
国際会計基準は日本が海外から一方的に押しつけられているものでは、決してない。
ただ、日本が基準の使用に消極的と見られれば、IASBや監視組織に人員を送ることが難しくなる恐れがある。
人のつながりがなくなると、あずかり知らないところでつくられた基準に、日本が追随を余儀なくされる結果になりかねない。会計に関連した資本市場の生きた情報も入りにくくなってしまう。
国際会計基準づくりは各国の利害が絡む外交の側面もあるため、言い分を通すためには様々な交渉戦術が欠かせない。
まずは、意見を求められるのを待つだけでなく、会計関係者や企業がIASBに陳述の場を求めるといった主体的な働きかけが重要になる。英語と会計の両方にたけた人材を多く育てることも、急務である。」
しかし、会計基準はTPPの交渉ではないのですから、国の利害を前面に出すような話ではないと思います。そもそも、どんな基準なら国益に沿うのかなどということは、簡単に判断できるものなのでしょうか。
こちらは、金融庁の方針(特にJ-IFRS)に批判的なコラム記事です。
国際化に背を向ける、亡国の会計鎖国論争(日経ビジネス)
「IFRS導入に反対し日本基準は素晴らしいと叫ぶ「鎖国派」も、J-IFRSで国際的な発言力が保てると主張する経団連派も、自分たちが国際交渉の場に出ていくわけではない。だから日本の方針が国際的に受け入れられるのかどうかという感覚なしに、強硬な反対論だけをまくし立ててきた。国際交渉の矢面に立っているのは藤沼氏ら「推進派」と金融庁の国際派の役人で、反対派はその背中に向けて矢を射ている構図なのだ。」
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