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東洋ゴム免震偽装巡る株主代表訴訟、元役員に賠償命令(日経より)

東洋ゴム免震偽装巡る株主代表訴訟、元役員に賠償命令

東洋ゴム工業(現TOYO TIRE)による免震ゴム性能偽装をめぐる株主代表訴訟の判決で、元社長ら当時の役員4人の責任が認められ、約1億5800万円の賠償金が命じられたという記事。

「訴訟では、役員らは国の基準を満たしていないとして免震ゴムの出荷中止を決めながら、2014年9月に社員の報告を受けて判断を覆したことに焦点が当てられた。一部の役員は技術的な専門知識を持つ社員が出荷しても問題ないと判断したのを受け入れただけで、責任を負うべきなのは製造元の子会社側だと主張していた。

判決は、製造元の子会社を監督する立場だった役員と技術部門の責任者だった役員には、出荷を停止する義務があったと指摘。出荷は親会社の業務の一環として行われたとも言及し、2人の連帯責任を認定した。

谷村裁判長は、同社では07年に断熱パネルの品質不正が発覚し、信用回復の途上だったと言及。「不適合品の出荷という同種の問題を速やかに報告・公表をしなかった。このような姿勢に対する会社の信用失墜の程度は大きい」と強調し、同社の信用を毀損したとして山本元社長を含む4人に2000万円の賠償を命じた。」

会社のプレスリリースも参考にすると、不正と関連が深い2名には約 1 億 3,800 万円、その2名を含む4名全員に対して2000万円の賠償金ということのようです。

当然のことだと思いますが、子会社の不正であっても、親会社がそれに適切に対応しないと役員の責任を問われるということなのでしょう。

学者のコメント。

「立命館大学の山田泰弘教授(会社法)は「経営陣は不正を把握した段階で、適切な判断や行動ができたかを厳しくチェックされることを理解しておく必要がある」と指摘。迅速な対応や正確な情報開示を怠るべきではないとし「間違った判断を防ぐため、取締役会のメンバーに多様性をもたせるなど、多角的な目線を取り入れる姿勢が重要だ」と話す。」

株主代表訴訟の判決に関するお知らせ(TOYO TIRE)(PDFファイル)

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