会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「財団株主」は安定株主作りの抜け穴か-内外投資家から厳しい目(ブルームバーグより)

「財団株主」は安定株主作りの抜け穴か-内外投資家から厳しい目

金庫株を自ら設立した財団に割り当てるなどの取引に投資家が厳しい目を向けているという記事。

「今年3月、工作機械メーカーDMG森精機の定時株主総会が注目を集めた。会社側は森雅彦社長が代表を務める財団を支援するため、3%弱の株式を1株当たり1円で信託銀行に割り当てると提案。これに対し、米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が「財団が経営陣の保身の道具になっているとの印象が払拭できない」などとして反対を推奨したのだ。結果は賛成比率が67%と可決に必要な3分の2を辛うじて超え、会社側にとっては薄氷の勝利だった。」

「その後、小林製薬や大研医器、ゴールドウインも財団支援のため株式第三者割り当てを提案。ISSは反対を推奨した。」

会社側の反論は...

「DMG森精機は総会前に、財団は安定株主ではなく自己株は議決権を分離しており当社や財団は議決権行使の指図ができない契約になっている、などと反論した。また、自己株式の使途については財団のCSR活動を支援するために活用するのが最も有効との結論に至ったなどと説明していた。」

森精機の招集通知。問題の議案は56ページから。

https://www.dmgmori.co.jp/corporate/ir/stock/pdf/69invite.pdf

安定株主のためというより、創業者ファミリーの将来の相続対策のような気もしますが...

また、会計処理を考えてみると、本来は、時価で割り当てたことにして、1株当たり1円との差額は、寄付金として費用処理すべきでしょう。
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