あずさ監査法人
監査について以下のように比較的具体的な改善策を述べています。
「・・・私たちは、この不正会計の問題に対して組織的な対応を強化するために、担当部署である「監査・不正リスク対応室」が迅速かつ適切な対応を図ってまいります。また、監査においてKPMGが開発したデータアナリティクス的なアプローチを積極的に導入することで、巧妙化・複雑化する不正リスクに対応できるよう実務の研鑽を推進しています。職員の使用するパソコンについても、年内に仮想化技術を利用したVDI(Virtual Desktop Infrastructure)化を推進し、セキュリティ対策と業務の効率化を図っていく予定です。」
「Virtual Desktop Infrastructure」というのがよくわかりませんが、個人に貸与しているパソコンにデータを残さないような仕組みなのでしょうか。
アドバイザリー業務については、「海外の日本企業を支援する専門組織であるグローバル・ジャパニーズ・プラクティスの体制を一段と強化」、「中堅・中小企業の経営改善支援や事業再生支援に対するアドバイザリー提供体制を強化していくために、2013年に「事業再生支援室」を設置」、「政府や企業のシステムに対するサイバー攻撃への対応を支援する「サイバーセキュリティアドバイザリーグループ」をKPMGジャパン内に組織化」といった実績についてふれています。
人材開発については、(いまはやりの?)「ダイバーシティ」の推進、「グローバルな視点や意識を持つ人材の育成」などをいっています。
「プロフェッショナルとして求められる誠実性(Integrity)、提供するサービスの品質(Quality)、社会・関与企業・組織員の満足度(Satisfaction)においてベストファームとなる」というのが、同法人のヴィジョンだそうです。
新日本監査法人
監査業務に関しては、末尾で「本年も監査品質の向上に努め」と述べている以外には具体的なことは何もふれていないようです。
もちろん、冒頭部分で以下のように「社会的責任の重さ」や「高い品質の業務を提供」といっており、そのなかには監査業務も含まれているのでしょうが、監査を前面には打ち出していません。
「私どもは、監査法人の社会的責任の重さをしっかりと自覚し、より高い品質の業務を提供し続けることで社会の期待に応えて参ります。」
アドバイザリー業務の関連では、政府や日本企業の5つの課題の解決に貢献すると述べています。
「当監査法人では、日本及び日本企業の課題を「日本の金融・資本市場の信頼性確保と活性化」「海外マーケットに向けた更なるビジネスの拡大」「激化する競争環境に勝ち抜くための戦略」「新たなビジネス及び雇用の創出」「国及び地方公共団体の財政再建」の5つに整理し、これらの課題の解決に貢献していくことを私どものミッションとしております。」
「会計のプロフェッショナルとして高い倫理観を保持し、会計や監査の専門分野で培った知識や経験を活かしたサービスをご提供し」、また、「業務改善やM&Aなどに係るアドバイザリー・サービスや税務サービスなどを提供するEY Japanを構成する法人とのネットワークを活用」していくそうです。
具体的なサービス内容としては、「IFRS導入支援」、「統合報告関連サービス」、「6次産業化による農林水産ビジネスの多角化・拡大支援」、「PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)に代表される官民連携支援サービス」を挙げています。
法人の人材開発については特にふれていません。
監査法人トーマツ
冒頭で、監査法人の社会的役割について教科書的におさえています。
「私たちトーマツは資本市場の信頼を監査という立場から確保すること、並びに日本企業の国内外での力強い成長を支援することを進めています。」
具体的には、「監査サービスの高度化」「日本企業のさらなる成長を支援」「多様な専門家によるコラボレーション」「社会課題解決への支援に向けて」という見出しを立てて、それぞれ説明しています。
「社会課題」というとらえかたがはやりなのでしょうか。
監査法人の課題についてバランスよく述べていると思いますが、文の末尾がほとんどすべて「しています」というようになっており、これからどうするのかという意気込みがあまり感じられません。ただ、「社会課題」のところは「していきます」という文末になっています。(深い意味はなさそうですが)
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