IFRSで、金融商品に関する基準が11月19日に改正されたというプレスリリース(日本語版)。ヘッジ会計が主な改正項目です。
「ヘッジ会計
IASBは、本日、新しいヘッジ会計モデルを、ヘッジ会計を適用する企業のリスク管理活動に関する対応する開示とともに導入した。ヘッジ会計の変更及び関連する開示は、リスク管理活動を財務諸表に適切に反映することの難しさに関して財務諸表作成者が提起した懸念に対応して開発された。また、この変更は、ヘッジ会計を理解することの難しさに関して財務諸表利用者が提起した懸念にも対処している。
新しいモデルはヘッジ会計の大幅な見直しであり、企業がリスク管理活動をより適切に財務諸表に反映できるようになる。最も重要な改善は、非金融リスクをヘッジするリスク管理活動に適用されるので、これらの改善は金融機関以外にとって特に関心のあるものとなると予想される。これらの変更の結果として、財務諸表利用者は、リスク管理及びヘッジ会計が財務諸表に与える影響に関してより適切な情報を提供されるようになるであろう。」
原文はこちら
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IASB completes important steps in reform of financial instruments accounting
改正のサマリーはこちら
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Project Summary(IASB)(英文)(PDFファイル)
従来のIAS39号では、金融商品のリスクの一部分(構成要素)をヘッジ対象とすることは認められていましたが、非金融商品のリスクの構成要素をヘッジ対象とすることは認められていませんでした。金融商品のリスク要素の例としては、債券におけるLIBORリスクがあります。しかし、非金融商品のリスク要素--例えば、ジェット燃料の価格変動エクスポージャーのうちの原油価格要素--をヘッジすることはよく行われています。
今回の改正では、この区別をなくし、原則主義アプローチとして、リスク構成要素が識別・測定されているかどうかに着目します。このことにより、より多くの会社がリスク管理活動を反映したヘッジ会計を適用することが可能となります。
IAS 39 allowed components of financial items to be hedged, but not components of non-financial items.
An example of a risk component in a financial item is the LIBOR risk component of a bond.However, risk managers often hedge a risk component for non-financial items as well; for instance, the oil price component of jet fuel price exposure. This is an important issue for many companies.
IFRS 9 eliminates this distinction. As a principle-based approach, IFRS 9 looks at whether a risk component can be identified and measured and does not distinguish between types of items. This will enable more entities to apply hedge accounting that reflects their risk management activities.
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(IASBのサイトより)
(正確な訳語・訳文はほかの解説をご覧ください。)
監査法人による解説
「ヘッジ会計の改良:リスク管理のより密接な反映」(トーマツ)
新たなヘッジ会計基準の完成~IFRS第9号(2013年)の公表(新日本監査法人)