改定統治指針、今月末に対応期限 投資情報として重要視 (記事冒頭のみ)
6月に改定されたコーポレートガバナンス・コードへの対応状況を取り上げた記事。
「経営トップの後継者計画などの開示が進み、実際に政策保有株の売却など経営改革も後押ししている。ただ開示内容はバラツキもあり、投資家からはより充実した情報発信を求める声も多い。」
役員の選任・解任については、J・フロントリテイリングがよい例として挙がっています。
「改定指針は最高経営責任者(CEO)らの選任だけでなく、解任の方針や手続きの開示を求めた。J・フロントリテイリングはCEOの選解任を「最も重要な戦略的意思決定」と位置づけ、11月に公表した報告書に詳細に記した。
選任時はまず指名委員会が主導して、成果への執着心など5つの観点から複数の候補者を選出。第三者機関が社内データをもとに診断した各候補の経営人材としての評価に基づき、指名委が最終的な候補者を審議する。」
「解任についても、設定した目標や期待した成果と取り組みの結果(毎期の業績、戦略の遂行状況など)を踏まえ、指名委員会が審議するという。横河電機は毎年、業績などをもとに社長を評価していくとした。
ただ現時点でここまで開示しているケースは限られる。業績などの成果評価を記載せず、「不正やコンプライアンス違反があった場合」としているケースも多い。」
今話題となている役員報酬については...
「今後の焦点となりそうなのが役員報酬だ。金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の事件では経営トップの報酬の透明性が問われた。新指針でも客観性・透明性のある手続きのもとで報酬制度を設計すべきだと定められている。」
ソニー、大和ハウス工業、(よくない例として)中堅建設会社の例を取り上げています。
横並び?12月に駆け込み(日経)(記事冒頭のみ)
「改定されたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)に対応したガバナンス報告書の開示が相次いでいるが、提出時期をみると東京証券取引所が期限とした12月までずれ込むケースも目立っている。日本企業の「横並び意識」が透けてみえる。」
コーポレートガバナンス(J.フロントリテイリング)(「コーポレートガバナンス報告書」へのリンクあり)
日経記事ではちらっとふれているだけですが、ついでに日産の報告書も...
コーポレートガバナンス報告書(日産自動車)(2018年7月5日改訂のものが掲載されています。)
「【補充原則4-1-3】取締役会による、最高経営責任者等の後継者の計画の監督
最高経営責任者等の後継者の計画については、代表取締役が責任を持ってあたっている。また、経営陣幹部の選任については、エグゼクティブ・コミッティーメンバーの役員等から構成され、最高経営責任者を議長とする人事委員会での検討を経て決定している。」
「代表取締役が...」ということは、ゴーン氏が決めることになっていたのでしょう。
「当社は、効率的かつ機動的な経営を行うために、取締役会の構成はスリムなものとし、業務執行については執行役員制度をしいて、明確な形で執行役員及び従業員に権限委譲している。また、事業戦略などの会社の重要事項について審議し議論するエグゼクティブコミッティ、並びに会社の日常的な業務執行に関する事項について審議し議論する別のコミッティを設置している。
監査役は、取締役会その他重要な会議に出席するほか、取締役等からその職務の状況を聴取する等を行い、業務執行全般にわたり監査している。また、専門の内部監査部署を設置し、有効かつ効率的なグループグローバルな内部監査を行っている。
会計監査については、新日本有限責任監査法人を選任している。」
「当社は、監査役制度を採用している。監査役4名のうち3名が社外監査役かつ独立役員であり、十分なガバナンス体制が構築されていると考えている。」
直ちに訂正しないといけないのでは...
「【原則1-7】関連当事者間の取引
役員や主要株主との取引を含め、会社が取引を行う場合には、取引の重要性や性質に応じて、財務、経理、税務、法務等の各種機能からの検討を行うとともに、案件に応じたレベルの決定者による承認が必要な旨、社内規定に定めている。
また、取締役と会社との利益相反取引については、取締役会の承認及び取引後の重要な事実の取締役会への報告を必要とする旨、取締役会規則に規定している。」
こういうルールになっている以上、ゴーン氏が退任後のコンサル契約を画策していても、取締役会で承認・報告がなされない限り、無効であり、費用・未払金計上などの会計処理もできない(したがって役員報酬の記載も不要)のでは。
コーポレートガバナンス・コード関連記事。
トップを解任する企業統治(産経)
「東京証券取引所は今年6月、上場企業を対象に導入した企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)を初めて改定した。そこでは取締役会に対し、役員報酬の決定手順の透明化に加え、トップを含めた役員の選任・解任手順の策定を求めた。まるで今回の日産をめぐる騒動を予見していたかのようだ。」
「...改定コードでは、トップを選ぶ際に外部から分かりやすい客観的な手続きを踏むべきだとしている。社外取締役も長期にわたってトップの選考過程に関与し、次期社長にふさわしい人材を評価する仕組みが求められている。」
「そして何より難しいとされるのが解任の手続きである。トップがその役割を果たしていないと取締役会が判断した場合、解任する手順などを事前に定めておくべきだとしているが、ある財界人は「自分がクビになる手続きを、自分で決めようとする奇特な経営者はまずいない」と声を潜める。」
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