日米の監査法人の意見の相違などにより東芝の第3四半期決算作業が遅れているという記事。
「東芝幹部によると、米原子力発電子会社ウエスチングハウス(WH)で浮上した「不適切なプレッシャー」を巡る内部統制不備の問題の調査が遅れている。このため決算の監査を完了できず、「発表できない恐れがある」(東芝幹部)。
現在、東芝を含む日本側の会計士や弁護士の意見は一致している。ただ、WH幹部の言動が不適切なのかどうかの認定作業などを巡り、WH側の弁護士や監査法人との間で折り合いがついていない。」
監査(四半期レビュー)だけの問題なら、東芝の監査人(あらた)が、WHの監査人(たぶん米PwC)がやった手続と結果を入手した上で、東芝の連結の監査人としての判断で結論を出せばいいのだと思います(WH自体では四半期報告の義務はないと思われるので)。しかし、子会社の監査人との見解の相違ということになると、親会社監査人の方ではそれなりの理屈が必要でしょうし、決算発表の際に、会社が、WH幹部の責任の有無などについても報告しようということになると、東芝とWHでそれぞれ委託している専門家の意見が違うままではまずいのでしょう。
また、本当に「内部統制不備」の問題だけなのかも疑問です。WHの破産法適用が盛んに報じられている中で、WHの決算を組むための前提が違っているのではないか、監査人は当然気にしていると思います。
麻生金融担当大臣までWHの破産法適用問題について発言しています。
東芝決算発表は「米子会社の破産法申請次第だろう」と麻生大臣(産経)
「東芝の決算発表は当初、2月14日の予定だったが、米原発事業に関する不正疑惑を受け3月14日に延期。麻生氏は「WHの破産法の部分をきちんとやってもらわないと、決算を出しにくいということがあるのではないか」と指摘した。」
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