会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

市場軽視!岸田首相の「新しい資本主義」で「日本売り」が本格化(現代ビジネスより)

市場軽視!岸田首相の「新しい資本主義」で「日本売り」が本格化
「四半期開示見直し」がもたらす失望


四半期開示見直しに批判的な論説記事。企業会計に詳しい磯山氏が書いています。

「またしても、岸田ショックを引き起こしかねない火種が出てきた。

上場企業に義務付けられている「四半期開示の見直し」だ。岸田首相の昨年10月の所信表明演説、今年1月の施政方針演説にいずれも盛り込まれていたもので、2月18日に開かれた金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループで議論が始まった。」

「安倍晋三内閣時の2016年に始まった「未来投資戦略」でも、四半期の義務的開示の是非をするよう明記されたが、金融審議会は2018年に「現時点において四半期開示制度を見直すことは行わない」とする報告書を出した。つまり、決着していた問題を岸田首相が再び持ち出してきたわけである。

2月18日の会合では、事務局からの経緯説明に続いて、法政大学の中野貴之教授から、四半期決算を巡る実証研究の様々な結果について報告があった。委員からは四半期決算が短期思考を助長しているとは言えないとする発言が出て、廃止に賛成意見を述べる委員はほとんどいなかったと報じられている。」

「確かに、経済界の一部には四半期開示を「義務」ではなく企業の判断に任せるべきだという意見もある。では、義務でなくなったとして、開示を止める企業が相次ぐのかというとそうではない。海外投資家への情報開示を重視する企業は四半期決算を止めるという判断はまずできない。」

「ワーキング・グループでも廃止に賛成する委員はほとんどいないことから、開示が無くなることはないだろう。仮に選択制になっても、今と実態は変わらないに違いない。

だが、そういった議論が行われることだけで、岸田首相が言う「新しい資本主義」は、グローバルな資本主義のルールに背を向けようとしているのではないか、と言う疑念を生む。」

最近の首相の発言に関する記事。

株主還元で成長の果実流出「受け止め考えること重要」-岸田首相(ブルームバーグ)

「岸田文雄首相は21日の衆院予算委員会で、企業収益の分配の在り方について「株主還元という形で成長の果実等が流出しているということについてはしっかりと受け止め、この現状について考えていくことは重要」と述べた。

岸田首相は「資本主義の持続可能性を考えたならば、その成長の果実が一方的に、一部に資するだけで終わってしまったら続かない」と語った。」

株価は上がったが、日本のGDPも賃金もほとんど上がっていないという問題はたしかにあるのでしょうが、だからといって、開示を後退させれば、問題解決ということにはならないでしょう。
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