E d u L a b(東証1部)のプレスリリース。
遅れていた2021 年 9 月期第 3 四半期報告書・決算短信を提出・発表するとともに、過年度の有価証券報告書・決算短信等の訂正を行ったとのことです。連結範囲見直しによる子会社の異動もあります。
訂正されたのは、新規公開時の有価証券届出書(これは重大)、2018 年 9 月期から2020年9月期までの有価証券報告書、2019 年 9 月期・2020年9月期・2021年9月期の四半期報告書(2021年9月期は第2四半期まで)などです。
訂正内容は、発覚の経緯に沿って分けると、3つあるようです。
「当社及び当社の連結子会社である株式会社教育測定研究所とその特定の顧客との間の一部取引(以下「本件取引」といいます。)において、一連の経緯や価格の妥当性を踏まえた経済合理性について、特別調査委員会による調査を行ってまいりました。」
「本件取引とは関連性のない別件として、当社連結子会社と当社関連会社との一部取引(以下「別件取引」といいます。)に関して、売上の計上が実態を伴うものであるかについての懸念が生じた...」
「有限責任 あずさ監査法人(以下「あずさ監査法人」といいます。)より、その監査手続の中で、上記の特別調査委員会の調査の範囲外の一部の取引についても、そのコンサルティングフィーの相当性等についての疑義が検出された旨の報告があり、一連の監査手続終了のためには、当該新たな疑義についても特別調査委員会による調査をおこなう必要があるとの見解が示されました(以下、あずさ監査法人より報告があった新たな疑義を「新規事象」といいます。)。」
例えば、2020年9月期の影響を見ると、純資産ベースで、約13億円もの影響があり、会社規模を考えると相当大きなものです。営業利益なども訂正前の半分以下になっています。
売上高 8,252,280 △203,883 8,048,396
営業利益 1,869,289 △1,076,412 792,876
経常利益 1,605,209 △967,464 637,744
当期純利益 1,118,249 △687,097 431,151
総資産 16,272,704 △263,578 16,009,126
純資産 8,024,891 △1,276,487 6,748,404
(左から訂正前、影響額、訂正後(単位:千円))
「本件取引」による訂正が最も大きいようです。
過年度決算については、意見(結論)不表明とのことです。
↓
過年度の有価証券報告書等に係る監査報告書の意見不表明及び結論不表明に関するお知らせ(PDFファイル)
直近の四半期報告書も結論不表明です。
↓
2021 年 9 月期第 3 四半期報告書に係る四半期レビュー報告書の結論不表明に関するお知らせ(PDFファイル)
本決算では、最低限「限定付」までもっていかないと、上場廃止になるおそれもあります。
60ページほどの調査報告書も公表されました。
↓
特別調査委員会の(中間)報告書受領及び追加調査継続に関するお知らせ(PDFファイル)
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