西松建設 イオンモール建設で9億円不正会計 所長を諭旨解雇処分に
「西松建設」の所長が多額の不正会計処理で、解雇されたという記事。退職金はもらえたようです。
「不正を行っていたのは、同社の札幌、東北の両支店を管轄する北日本支社に在籍し、宮城県利府町の「イオンモール新利府」の新築工事を指揮していた50代前半のA所長だ。」
協力業者を巻き込んで、原価の付け替えをやっていたそうです。
「端緒となったのは、2014年から担当していた「イオンモール旭川駅前」の工事。ここで採算が合わなくなり、本来、業者に支払うべき約4億5000万円もの工事代金を、下請けの協力会社9社に肩代わりさせていた。」
「「予算に余裕のある計5つの現場に、本来より高い原価を計上し、その差額を業者への支払いに充てていた。いわゆる原価の“付け替え”で、建設工事ではご法度の行為です。しかし、業者への未払い分はなかなか埋まらず、会計不正の自転車操業のような状態に陥っていました」(同前)」
協力業者への簿外の借金があったことになりますが、その借金を返すために、架空発注もしていたそうです。完全な架空発注でなくても、本来よりも高い金額で支払うというのも不正ですが...。
不正があったことは、西松建設の広報課も認めており、文春に対してコメントしています。
会社からはプレスリリースが出ています。適時開示ではありません。
本日の一部報道について(西松建設)
「本件については、2021年11月、当社の内部通報窓口に対し、「当社の建設工事において工事原価を別の工事に付け替えるという不正な会計処理が疑われる」という通報がありました。
通報を受け、社内調査を進めたところ、当社の元社員が2014年頃より5か所の建設工事において、工事収支の悪化を隠蔽するため、約9億円の工事原価を別の工事に付け替えるという不正な会計処理および協力会社の費用負担による私的流用を行っている事実が判明しました。
上記事実の判明を受け、当社は、工事原価の付け替えに伴い工事代金が未払いであった協力会社との清算を実施し、2022年3月期決算において適正に経理処理を行っており、当期の業績に影響はございません。」
小さな上場会社なら、何千万円かかけて調査委員会を設けて調査し、過年度訂正をやるレベルの話ですが、売上高3000億円の会社にとっては、大騒ぎするほどの不正ではないということなのでしょう。