東証1部上場の荏原製作所の監査役のうちの一人が、株主総会に提出する事業報告書について、「コンプライアンス上、重大な疑義があるので、本事業報告を承認しない」との意見を監査報告書に付記しているという記事。
このため、計算書類を株主総会の決議事項とし、株主の承認を求めるとのことです。
当社第143期定時株主総会の決議事項に関するお知らせ(PDFファイル)
会社のプレスリリースによると、付記の内容は以下のとおりです。
「『元経営幹部による会社資金の不正支出』に対する取締役及び取締役会の調査は不十分であり、当職は、会社法第381条に基づき本件に関する調査を実施したが、取締役は調査に必要な情報の開示を行わず、当職が要求した関係者に対するヒヤリングにも対応していない。従って、取締役の職務執行に関し、法令に違反し又はその疑いがあると認められる。また、本件に係る調査報告書等には、経理帳簿の虚偽記載を疑わせる記載があり、本事業報告は承認できない。」
会計監査人からは無限定適正の監査報告書が出ているようです。
当サイトの関連記事
代理店経由で不正な営業活動費を支払っていた(一部は元副社長による私的流用の疑いがある)という不正があったわけですが、会計的には未成工事支出金などの資産に計上せず、何らかの費用として処理していれば(計上費目の問題はありますが)妥当な会計処理という判断になるのでしょう。しかし「不正」という点が強調されると、会計監査人としてはなかなか難しい立場です。
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事