京都の佐川印刷の巨額横領事件を取り上げた記事。
容疑者が起訴されましたが、対象は総額90億円のうちのごく一部でした。
「未上場ながら連結売上高1000億円を誇る印刷大手の佐川印刷で、湯浅被告が詐取したとされる総額は約90億円である。だが、京都地検は、70数回にわたって子会社のエスピータックから簿外で出金、不正送金していたなかから、2014年9月24日に行った4億円の不正送金のみを取り上げ、電子計算機使用詐欺で起訴した。
京都地検の見立ては、湯浅被告の単独犯ではない。不正流用の大部分は、社外協力者の村橋郁徳・エスジーコンストラクション元社長の指示で行われたと見ており、海外在住の村橋元社長に呼び出しをかけ、11月30日、帰国して聴取に応じたところを同じ容疑で逮捕、12月21日にも起訴する方針。」
容疑者は、会長の裏ガネづくりのためにやったのだと主張しているそうです。この記事では、その主張は、ある程度、本当ではないかとみています。
「第一に、入社以来、32年間、財務畑を中心にコツコツと務め上げた湯浅被告に、90億円を詐欺横領するような気配はなかったこと。資金流出先の過半が海外サーキット場建設というのにも違和感がある。
第二に、いかに財務を任されていたとはいえ、ワンマン会長のもと、代表印は夫人の木下豊子副会長(当時)が預かって最終チェックを行い、しかも監査も入るなか、90億円の簿外流出など常識ではありえないこと。
第三に、佐川を冠していても佐川急便グループではなく、木下会長は佐川急便経営陣の関心を買うのに余念がなく、盆暮れの挨拶も高額で、〈裏ガネの一部用途は大口得意先の佐川急便のもの〉という説明には説得力があると思われたこと。
ただ、すべてが指示ないし了解事項かといえば、そうではない。書簡には、次のような表記があった。
〈細かいお金の出金は説明していませんが、プロジェクトの概要は説明しています〉
読み方によっては、裏ガネづくりを任されたのをいいことに、勝手に投資、事後報告で済ませていたとも受け取れる。となると、90億円は木下会長の想定外ではなかったか。」
金額的には大きな事件ですが、非上場会社の話なので、うやむやに終わりそうな気配です。
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