金融庁の公認会計士・監査審査会は、「令和4事務年度監査事務所等モニタリング基本計画」を、2022年7月15日に公表しました。
以下のような内容の文書です(全18ページ)。
1 監査事務所をめぐる環境
2 令和4事務年度監査事務所等モニタリング基本計画の考え方
3 モニタリング基本計画(検査以外の基本計画)
4 検査基本計画
5 モニタリング情報の提供
「1 監査事務所をめぐる環境」では、「上場会社監査の担い手の変化」という項目を設けて、監査人交代についてふれています。
「上場会社の監査においては、大手監査法人のシェアが時価総額ベースで9割を超える状況が続く中、上場会社の監査人の交代件数(監査法人間の合併によるものを除く。)は、年間で 220 件を超え、また、大手監査法人から準大手監査法人や中小規模監査事務所への交代が大勢を占める状態が続いている。
交代の要因については、被監査会社側におけるものとして、監査報酬、継続監査期間、自社の事業規模との均衡等を踏まえた監査人の見直しが挙げられる。また、監査事務所側における要因として、大手監査法人におけるクライアント・ポートフォリオ(監査関与先の構成)の見直し等が挙げられる。」
2の「考え方」では、「モニタリングにおいて重視する事項」として、以下の項目を説明しています。
ア 業務管理態勢
① 監査の品質の向上に向けた監査事務所経営層のコミットメント
② 業務管理態勢の実効性
イ 品質管理態勢
① 品質管理態勢の実効性
② 品質管理基準等の改訂等への対応状況
③ 監査資源の確保・育成及び配分(職場環境の整備状況、離職率低減に向けた取組を含む。)
④ 監査契約の新規受嘱・解除に係る経緯等
⑤ 新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢による影響等を踏まえた対応状況
⑥ デジタル技術を活用した監査ツールの導入状況(サイバーセキュリティ対策の実施状況を含む。)
⑦ 倫理規則の改正への対応状況
ウ 個別監査業務
① 不正リスクに係る監査手続の実施状況
② 収益認識に係る監査手続の実施状況
③ 会計上の見積り及びグループ監査に係る監査手続の実施状況
④ KAM の決定過程や監査上の対応等の記載内容
⑤ 「その他の記載内容」に係る手続の実施状況
⑥ リスク・アプローチの強化への対応状況
エ その他
① 非財務情報に係る保証業務への取組状況
② IPO 準備会社に対する監査業務等の提供状況
「4 検査基本計画 」でも、検証項目が列挙されています(共通・大手・準大手・中小)。
これも審査会検査の「傾向と対策」には必要な資料でしょう。
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