英国EYの幹部(managing partner for assurance)によれば、新しいテクノロジーがますます伝統的な業務に影響を与えており、会計専門職は岐路に立っているのだそうです。同事務所のFinancial Reporting Outlookという会議での発言です。
The future of the accountancy profession “hangs in the balance” as new technologies increasingly affect traditional practices, according to Hywel Ball, the managing partner for assurance at Big Four firm EY
この幹部は、オックスフォード大学の最近の研究を引用して、会計と監査の専門職が2030年までに機械に置き換わるリスクが95%あると示唆しました。
Speaking at the firm’s annual Financial Reporting Outlook conference, Ball cited recent research from the University of Oxford, suggesting there was a 95% risk that accounting and auditing professionals could be replaced by machines by 2030.
「わが業界を革新する緊急性と必要性は、かつてなく大きくなっているのに、革新(イノベーション)のペースは、氷河のようにのろい」と述べたそうです。
Ball said, “Whilst the urgency and need to innovate in our industry has never been greater, sadly, the pace of innovation has been at best glacial.”
競争の激化が監査イノベーションの触媒の働きをするだろうとも述べています。来年には、FTSE100社のうち25%が監査を入札にかけるだろうと予測しています。
He also said that increased audit competition was acting as a catalyst for audit innovation, and predicted that 25% of FTSE 100 companies would tender their audit in the next year.
会計プロフェッションに変化を強いるもう一つの局面はビッグデータの成長だそうです。EYは採用計画を大きく変更し、新規採用の30%は、データ・サイエンティスト、エンジニア、ビッグデータとその分析方法を理解している才能ある人材とする予定です。
Another aspect forcing change on the profession is the growth of big data. Ball said this had led EY to “radically change” its graduate recruitment programme. He explained that 30% of the firm’s next intake would comprise of “data scientists, engineers, and talented individuals who understand big data and how it can be analysed”.
事務所の中の会議ということで、危機感をあおって発破をかけているという感じもしますが...。また、イノベーションと来年から監査の入札が増えるという話は、レベルの違う話のようにも思われます。
こういう記事もありました。
会計監査の巨人デロイト、ブロックチェーン企業Coluとパートナーシップを締結(ビットコインニュース)
カナダのデロイトがイスラエルの企業と提携したそうです。
Colu社のプレスリリース
http://blog.colu.co/colu-blog/2015/10/27/new-announcements-new-releases-new-integrations
オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった(現代ビジネス)
「オズボーン氏は言う。
「最近の技術革新の中でも注目すべきはビッグデータです。これまで不可能だった莫大な量のデータをコンピューターが処理できるようになった結果、非ルーチン作業だと思われていた仕事をルーチン化することが可能になりつつあります」」
「法律の分野でも、裁判前のリサーチのために数千件の弁論趣意書や判例を精査するコンピューターがすでに活用されており、米ソフトウェア大手シマンテックのサービスを利用すると、2日間で57万件以上の文書を分析して分類することができる。その結果、弁護士アシスタントであるパラリーガルや、契約書専門、特許専門の弁護士の仕事は、すでに高度なコンピューターによって行われるようになっているという。」
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