会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

サムスンバイオ、粉飾会計疑惑が浮上 CFOは全面否定(日経より)

サムスンバイオ、粉飾会計疑惑が浮上 CFOは全面否定
政権交代で当局の判断変わる


韓国サムスングループのサムスンバイオロジクスという会社に粉飾会計疑惑が浮上しているという記事。

会社は否定しているそうです。

「問題になっているのは、バイオロジクス傘下の創薬ベンチャー、サムスンバイオエピスを巡る2015年12月の会計処理。15年12月期連結決算で約1兆9120億ウォン(約1950億円)の多額の利益を計上したことについて、金融監督院から違法だった疑いがあると今月2日に通知を受け取った。

バイオロジクスによると、エピスに出資する米製薬大手バイオジェンが合弁契約に基づいて出資比率を引き上げる意向を示したため、15年12月期にエピスを子会社から関連会社に変更。国内法に沿ってエピス株を時価に評価替えしたことで、赤字から黒字に転換した。

金氏(サムスンバイオロジクスのCFO)は当時の会計処理は「複数の大手会計事務所や金融監督院の審査を経て実行したもので適切だった」と強調した。」

韓国会計基準はよく知りませんが、日本の基準でも、子会社から関連会社に変わったときは、時価評価でよかったと思います(ただし実際に出資比率が変わった時点で処理)。

「金氏は「粉飾ではない。(韓国政府の)金融監督院と会計基準に関する認識の違いが生まれた」と説明した。朴槿恵(パク・クネ)前政権下で認められた会計処理が、現政権に代わり不適切と指摘されたという。」

政権が変わると認められる会計処理まで変わるというのもこわい話です。日本でも、不良債権処理のときには、役所の方針の変更で同じようなことがありました。

サムスン・バイオの後ろに韓国最大の法律事務所…「粉飾決算」否定に会計学者を総動員(ハンギョレ新聞)

「「故意の粉飾決算」の疑いを受けているサムソン・バイオロジクスが、韓国内の会計学権威者を多数動員して、自らの会計処理が適法だったという主張を書いた意見書を金融監督院に提出させた事実が明らかになった。この過程で、サムソン・バイオロジクスへの防御論理提供および会計学者らとの接触は、キム&ジャン法律事務所が担当した。」

「金融当局関係者は「昨年末頃、元韓国会計学会長をはじめ名前を聞いただけでも分かるくらいの会計学権威者の意見書が相次いで入ってきた」として、「他の特別監理事件に比べて非常に異例なことだった」と明らかにした。」

記事では批判的に書いていますが、当局の言いなりにならないところは立派です。大財閥だからできることなのかもしれませんが。
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