東証1部上場の「すてきナイスグループ」が、粉飾決算問題に関する第三者委員会報告書を受領し、公表したという記事。
「約30億円の不正な売り上げ計上があったという。報告書は平田恒一郎元会長(71)らが「了解または指示」したと認定した。
報告書によると、同社は2015年、在庫物件などを会計上の子会社に売却。本来は売り上げ計上できないのに、15年3月期決算で計上処理した。報告書は金融機関から黒字達成の要望を受けたことなどが動機としている。」
第三者委員会調査報告書の受領のお知らせ(PDFファイル)
報告書は約180ページもありますが、過年度影響額がまとめられた資料がなく、全体としてどれほどの粉飾決算だったのかは、すぐにはわかりません。
報告書を読み切れていませんが、どうやら、関係会社として認識していないけれども関わりの深い「グループ外支配会社」(出資関係なし)が多数あり、それらとの間であやしい取引(押し込み販売的な取引や債務超過グループ会社の損失押しつけや創業家からの自社株買い取り?)をやっていたようです。
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(調査報告書より)(平田氏は創業家出身で経営トップ)
このうちザナックという会社との取引が問題とされているようです。不動産の売却は実現していないという結論のようです。
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(調査報告書より)
このほか「タケイチ」という会社(社長同士が親しかったようですが、ナイスやその経営者・株主との関係は調べ切れていない模様)との取引も問題にしています。
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(調査報告書より)
タケイチについては、ナイスの関係会社あるいは関連当事者に該当するかどうかを検討していますが、該当しないという結論のようです。
すてきナイス不正会計問題 、第三者委が創業家のプレッシャーが背景と指摘 「数字をあげられなければ辞表を」(Yahoo)(東京商工リサーチ配信)
「不適切な会計は、2015年3月期の通期連結業績を期中に2度の下方修正を避けるため平田元会長が幹部に強く利益改善を求めた。平田元会長は取締役会で「約束した数字ができなければ辞表を出すように」とプレッシャーをかけたという。
そのため、幹部らはあらゆる「益出し」を検討。「マンション」を平田元会長が間接的に支配する会社へ売却し、会計上認められない売上げ計上が行われたと断罪した。
不動産の売却価格は30億円以上で、購入資金はグループ企業が貸し付け、最終的に当期純利益を約12億円調整したとみられる。」