「監査人・監査報酬問題研究会」による「2016年版 上場企業監査人・監査報酬実態調査報告書」が公表されました。日本公認会計士協会からの委託研究の成果物です。
2014 年度(2014 年4 月期決算より2015年 3 月期決算に至るまでの年度)における日本の全上場企業の監査人及び監査報酬に関する有価証券報告書記載情報に基づく実態調査結果がまとめられています。
報告書は、日本の監査報酬の実態分析、アメリカの監査報酬の実態分析、監査報酬データを用いた実証分析から構成されており、実証分析では「監査人の交代による監査報酬への影響」を取り上げています。
日本の分析については、特に新しい動き・傾向はないようです。
報酬の平均金額は増えています。中央値も、表では同じ金額ですが、若干増えているそうです。ただし、対売上高監査証明業務報酬比率でみると、前年度比0.007%の微減とのことなので、会社が規模的に少し大きくなった分、監査報酬にも反映されただけなのかもしれません。
SEC登録企業とそれ以外の差異、対売上高比率による分析、大手(あらたは含まず?)とそれ以外の差異などについては、従来の傾向とあまり変わっていないようです。
監査人交代の影響については以下のような結論になっています。
「監査人の交代後、監査報酬は減少する場合が多いこと、その傾向は、交代後に、売上高や子会社数が減少した場合、並びに、監査人が 3 大監査法人から 3 大監査法人以外の監査法人に交代した場合に、有意な差異をもって減少していることが確かめられた。」
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