日本公認会計士協会は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)において検討された内部監査プロジェクトと財務諸表の注記事項の監査を強化するプロジェクト(それぞれ国際監査基準改訂済)に対応した監査基準委員会報告書改正の公開草案を、2019年2月26日に公表しました。
改正予定の監査基準委員会報告書は以下のとおり。610と315が改正の中心のようです。
610 内部監査人の作業の利用(現行は「内部監査の利用」)
315 企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価
200 財務諸表監査における総括的な目的
240 財務諸表監査における不正
300 監査計画
320 監査の計画及び実施における重要性
330 評価したリスクに対応する監査人の手続
450 監査の過程で識別した虚偽表示の評価
このほか、適合修正としていくつかの報告書が改正予定です。
このうち610「内部監査人の作業の利用」に関しては、全般的に規定の表現見直し・拡充がなされていて、どこが改正のポイントなのかはよくわかりませんが、監査役等とのコミュニケーションで内部監査人の作業の利用についても対象にするという点は新しいのでしょうか。
「16.監査人は、監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」第13項に従って、監査役若しくは監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)と、計画した監査の範囲とその実施時期に関するコミュニケーションを行う際に、内部監査人の作業の利用をどのように計画したかについてコミュニケーションを行わなければならない。(A23項参照)」
そのほか315の5項で、リスク評価手続に含めるべき手続として、「内部監査に従事する適切な者(内部監査機能がある場合)への質問」が追加されるなどしています。
注記事項の監査については、315の17項で以下の文言が追加されるなどしています。
「監査人が理解すべき財務報告に関連する情報システムには、総勘定元帳や補助元帳だけではなく、それ以外の情報システムの注記事項に関連する部分を含めなければならない。」
注記も監査対象である以上、あたりまえといえばあたりまえですが...。
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