会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

三菱電機、品質不正計197件 役員10人を追加処分―漆間社長が陳謝(時事より)

三菱電機、品質不正計197件 役員10人を追加処分―漆間社長が陳謝

少し古いニュースですが、三菱電機が品質不正問題で現旧役員らに対する追加処分を発表したという記事。調査委員会の最終報告書も出たそうです。

「これまでの調査では16拠点で不正が見つかっていたが、今回新たに通信機製作所(兵庫県尼崎市)でも判明。これで全22拠点のうち17拠点で不正が行われたことになる。不正のうち112件は意図的に行われ、62件には管理職が指示などで関与した。昨年辞任した柵山正樹前会長も管理職当時に不正に関わっており、同氏は社のシニアアドバイザーの役職から退く意向を示した。」

柵山前会長が課長時代に品質不正 三菱電機不正で調査委が指摘 社長時の対応「極めて重い経営責任」(神戸新聞)

「三菱電機の不正に関する調査委員会は20日、同社前会長の柵山正樹氏(70)が電力システム製作所(神戸市兵庫区)の課長時代に、試験の測定結果と異なる数値を成績書に記入し、顧客に示していたと指摘した。」

「...社長在任時に全社の点検を徹底しなかったことに「極めて重い経営責任」を認定した。」

前会長が不正に関与していたのは1992年頃とのことなので、不正責任に時効はないのか、少し厳しいような気もしますが、入社したばかりの新人ならともかく、三菱電機の課長ともなれば、それなりにおおきな権限があったでしょうし、また、現場における不正まん延を知りながら、経営トップに出世していく過程のなかで、何もしなかった(一応「16、17年には全社の品質点検を指揮していた」そうですが)というのは、重いのでしょう。

当社における品質不適切行為の原因究明及び再発防止等について(総括)(2022年10月)(三菱電機)

「これらの不適切行為は、その多くは、実質的な製品品質には問題がないという正当化の下、顧客への技術的説明なしに行われており、“顧客との契約を重視する”ことの意識の希薄さ、“製品品質さえ良ければ問題ない”というプロセス軽視の考え方が根底にあったと考えます。一方で、量産後に問題に気づき、顧客に設計変更を提案したが、認められなかった事例も見つかっており、顧客に対して技術的に説明を尽くす組織としてのリーダーシップが弱いこともわかりました。」(プレスリリースより)

「不適切行為が発生し、場合によってはこれが継続する事態を招く背景には、言えなかった/言わせなかったという組織風土の問題があると考えております。①に記載した設計・品質管理現場の課題が、多くのケースで部長や拠点長クラスに認識されていませんでした。調査委員会及びガバナンスレビュー委員会からも、多数の現場で不適切行為が行われていたにもかかわらず、その実態を適切に把握することができず、対処が遅れ事態が放置されたとの指摘を受けました。普段から拠点長が現場の課題を把握し解決に向けてともに知恵を出し、必要に応じて本部にもエスカレーションするという、健全な双方向のコミュニケーションが実践されなかったことが、結果として長期にわたる多くの品質不適切行為につながったと考えられます。また、一部のケースでは、拠点長自身が、不適切行為の事実を知りながら、本部への報告や相談を怠っており、拠点長と本部スタッフや執行役とのコミュニケーションにも大きな課題があると認識しています。」(同上)

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