公認会計士等の異動に関するお知らせ(監査人の選任)(PDFファイル)
テックポイント・インク (東証グロース)(米国デラウェア州の法律に準拠して設立されている会社)の公認会計士等の異動に関するプレスリリース。
先日、BDO USA, LLPの辞任を開示しましたが、後任の監査人が決まったようです。
「当社は、2022年9月13日付け「公認会計士等の異動に関するお知らせ(監査人の辞任)」で公表いたしましたとおり、当社の監査人でありましたビーディーオー・ユーエスエー・エルエルピー(BDO USA, LLP)が2022年9月7日付で辞任したことに伴い、後任の監査人を早急に選任するため、複数の監査人候補と協議を継続してまいりました。この度、マキアス・ジーニ&オコネル LLP.(以下「同監査人」といいます。)と協議した結果、同監査人は、当社の事業規模、業務内容に適した監査対応、監査費用の相当性等を踏まえ、監査人に必要とされる専門性、独立性及び品質管理体制を有していると判断したため、米国デラウェア州法が定める手続きにより、同監査法人を当社の監査人として選任することを当社取締役会で決議いたしました。」
選任された会計事務所は、「米国カリフォルニア州ロスアンジェルス市を本拠とする会計事務所で、米Accounting Today “2022 Top 100 Firms”によれば、14のオフィスにおいてパートナー・プロフェッショナル合計344名を擁しています」とのことです。グローバルなネットワーク組織に加盟しているのかどうかなどは、プレスリリースからはわかりません。
「公認会計士法第34条の35第1項に基づき金融庁長官への届出を予定しております」とのことなので、金融庁への届出は、開示の時点ではまだだったようです。
たまたま日本の市場に上場している米国の会社と考えれば、米国の会計事務所が監査するのは自然です。しかし、この会社は、日本や中国、台湾、韓国などにも拠点があるようです。主たる監査人(正確には今の基準では別の用語となります)として,グループ全体を監査できるだけの能力があるのかどうかがポイントとなるのでしょう。前任者である、BDO USA, LLPは、準大手のネットワークBDO(日本にも提携監査法人がある)の事務所のようですので、この条件はたぶんクリアしていたのでしょう。
また、この監査事務所をだれが監督するのかも気になります。金融庁への届出はするようですが、金融庁(公認会計士・監査審査会)が検査するわけでもないのでしょう。会計士協会の上場会社監査事務所の登録制度からも外れていて、品質管理レビューの対象外なのでしょう(そのそも日本の協会の会員でもない)。