VW合弁のウイグル工場監査、国際基準満たさず FT報道(記事冒頭のみ)
「監査」といっても「会計監査」ではなく、労働環境に関する国際規格に関する「監査」の話ですが...
「独フォルクスワーゲン(VW)と中国・上海汽車集団の合弁会社が運営する新疆ウイグル自治区の工場で行われた監査が、国際基準を満たしていなかったことが19日わかった。VWは2023年12月、監査の結果「強制労働の兆候は見つからなかった」と発表していた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。」
労働環境に関する「SA8000」という国際規格に準じた監査をドイツのコンサル会社が行ったとVWは主張していますが...
「だがFTによると、独コンサルタント企業と共同監査を行った中国の現地企業が調査手法など重要な点で、同規格を順守していなかったことが判明したという。」
会計監査でも、海外子会社などの監査で、現地の会計事務所の作業に依拠する部分はあるわけですが、会計というものの性質上、政治的な圧力がかかるという場面は限定的でしょう。しかし、サステナ情報の場合も、同じような考えてよいのかどうか...
中国といえば、こういう記事もありました。
〈経済安保のリアル・国富を考える インタビュー編〉中小の技術、大企業が守れ 明星大教授 細川昌彦氏(日経)(記事冒頭のみ)
「中国は電気自動車(EV)向け電池に欠かせないグラファイト(黒鉛)といった資源の輸出規制に加え、日本産水産物の輸入を全面的に停止するといった経済的威圧行為を繰り返す。日本からの技術流出を狙う事例も増えるなか、官民にできることはなにか。経済安全保障に詳しい明星大の細川昌彦教授に聞いた。」
技術流出を狙う手段について。
「いくつかに類型化できる。①同業他社が中国に進出しているなど嘘をついて共同事業体(JV)を設立させる②給与や融資などで好条件を提示し、技術が手に入ったら追い出す③政府調達で中国内での生産を要件にして現地拠点の開設を誘導する。その後に国産部品の調達を追加で求めるなど『要件』を変えるーーなどだ。」
企業乗っ取り事例もあるそうです。
「日本の大企業は今まで部品を買いたたくだけだったので、サプライヤーはどんどん弱っていった。中堅・中小企業は中国企業の息のかかった融資に応じざるを得なくなっていく」
「融資が返せなくなったら中国勢が第三者割当増資でマジョリティを取って、その企業を乗っ取るという事例は基幹部品の中堅企業でも起きていて、これは大企業の責任でもある」