日本勢ナスダック上場活発 条件緩く「湘南美容」など11社に 株価は低迷多く、退出も(記事冒頭のみ)
日本企業のナスダック上場が最近活発であるという記事。といってもまだ11社ですが。
「日本企業による米ナスダック市場への新規株式公開(IPO)が相次いでいる。18日に湘南美容クリニックの親会社SBCメディカルグループホールディングスが上場し、日本企業の上場数は11となった。日本市場に比べて上場しやすく流動性も高いことが企業をひきつけている。ただ株価が低迷する企業が多い。」
SBC社はSPAC経由の上場で約1000万ドルを調達したそうです。同社CEOは「世界的ブランドで見たら日本の上場よりインパクトがあると思った」とコメントしており、資金調達目的というより、美容クリニックの宣伝の一環なのかもしれません。
ナスダックは外国企業や新興企業向けに優遇措置があり、IPOの準備期間が18か月程度で済むのだそうです。
しかし、空飛ぶバイク開発のA・L・Iテクノロジーズのように上場後株価1ドル割れが常態化し、破産申請に追い込まれた会社もあります。
また、専門家のコメントによると、米国IPO後のIR体制で、日本企業は中国企業に20年も遅れているのだそうです。
米ナスダックで日本企業が存在感、中国企業は減少…スピード上場可能「ITに理解深い」(2024年6月)(読売)
「メディアによると、中国企業のナスダック上場は2021年に74社に上ったが、米中対立の激化の影響で23年10月時点で25社に減少した。今後も中国企業の上場機運が高まる見込みが少ない中、日本企業への注目が高まる。
ナスダック上場の日本企業は現在、メディロムや、くら寿司の米国法人など10社。このうち6社が23年に上場したばかりだ。「湘南美容クリニック」の運営会社など今後も数社が上場を計画している。
ナスダック市場の特徴も日本企業を引き寄せる。日本では上場準備開始後3年程度で上場するのが一般的だが、ナスダックでは半年で上場が認められることもある。世界中から投資家が集まるため、多額の資金調達も可能だ。
一方、株価が一定期間1ドルを割り込むと上場廃止になるという、東京証券取引所にはない決まりもある。上場した日本企業からは「ナスダックの投資家の方が日本よりドライでシビアだ」との声も上がっている。」
簡単に上場できるけれども、ダメな会社だと判断されたら、すぐに捨てられるということでしょうか。
日本も、事業実体がほとんどなくなり、「ハコ」だけになってしまったような上場会社に対しては、退出を促すべきなのでしょう。
米国NASDAQ上場承認取得および取引開始のお知らせ(SBCメディカルグループホールディングス)
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