会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

破綻した銀行の監査人事務所捜査

週刊経営財務10月12日号の海外会計トピックスにアイスランドの3つの銀行の不正に関連して会計事務所が家宅捜索を受けたという記事が出ていました。

KPMG and PwC Reykjavik offices are raided by Icelandic police

経営財務にリンクが紹介されていた英デイリーテレグラフのサイトの記事です。

家宅捜索を受けたのはKPMGとPwCのレイキャビック事務所です。アイスランドの破綻した銀行3行における犯罪行為の容疑に関する捜査の一環として書類やコンピュータのデータが押収されています。

Police have raided the offices of KPMG and PricewaterhouseCoopers (PwC) in Reykjavik, seizing documents and computer data as part of an investigation into alleged criminal activity at three collapsed Icelandic banks.

捜査のターゲットになっているのは、Kaupthing、 Glitnir、Landsbankiという3つの銀行ですが、4大会計事務所に含まれている2つの事務所にとっても厄介なことになりそうです。

The targets of the raids were the firms' banking clients Kaupthing, Glitnir and Landsbanki, but the move is nevertheless likely to cause embarrassment for the two companies, both among the "big four" accountancy names in the world.

レイキャビックの事務所はそのパートナーによって所有されていますが、会計事務所の国際的なネットワークの一部でもあります。

The Reykjavik branches of KPMG and PwC are owned by its partners, common with most accountancy practices, but are also part of the multinational network of firms.

人口30万人の国ですから、国際的な大手会計事務所のネットワークの一部だとしても、それほど大きな規模ではないのでしょう(せいぜい数10人規模か)。しかし、クライアントである銀行は、英国の預金者からも多額の資金を集め、さらに集めた資金を外国に融資しており、その破たんは国際問題となっています。ネットワークの中の1事務所の問題というわけにはいかないかもしれません。
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