会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

S.E.C. Suspends 3 Ex-Managers of KPMG Over Tenet Audit

S.E.C. Suspends 3 Ex-Managers of KPMG Over Tenet Audit - New York Times

米国SECが、Tenet Healthcare Corporation という会社の監査に絡んで、KPMGの会計士3名に対し公開会社の監査への関与を停止する処分を行ったという記事。

SECによれば、3人は監査が不十分だったことを隠すために監査調書を改ざんしたとされています。500時間もかけて、調書にコメントを加えたり、ファイルの日付をバックデートしたりしていたそうです。

The S.E.C. accused the three men of improperly altering documents during and after the Tenet audit in order to hide that it was incomplete when submitted, the agency said yesterday. The audit team spent more than 500 hours altering more than 350 working papers by adding comments, backdating files and creating after-the-fact documentation, the agency said.

SECのステートメントでは、KPMG所属の監査人は、適切な監査を怠り、さらに調書を改ざんして監査の失敗を隠ぺいすることによって、監査人としての基本的な役割を放棄したと、厳しく非難されています。

"By failing to perform a proper audit and then altering documents, thereby concealing their audit failures, the KPMG auditors were derelict in their most basic gate-keeping functions," Linda C. Thomsen, director of the S.E.C.'s enforcement division, said in a statement.

理屈から言うとSECのいっていることはもっともだと思いますが、実務上は、監査後の調書の整理と、調書のお化粧とは紙一重のところがあります。日本の基準でも、監査調書を一定期日以後は原則としていじらせないようなルールが近くとりいれられるようです。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「会計監査・保証業務」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事