会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

原発廃炉なら4社債務超過 損失計4兆円超 経産省試算(朝日より)

原発廃炉なら4社債務超過 損失計4兆円超 経産省試算

政府が原発を再稼働させずに廃炉にすると決めた場合、電力会社10社のうち4社が「債務超過」になるという試算を経済産業省がまとめたという記事。

電力会社別のリストも出ています。

約4兆4千億円の損失が発生 2012年度中に原発50基廃炉なら(産経)

「試算は、菅直人前首相ら民主党議員の要請で策定した。損失は原発の設備、核燃料の資産価値がなくなるため生じる約3兆2千億円と、廃炉に備えた引当金不足約1兆2千億円の合計。

 各社別では、廃炉になった福島第1原発1~4号機を除いても13基ある東電が最大の1兆1495億円。11基を持つ関西電力(6318億円)、東北電力(4970億円)が続く。」

東電原発事故のような事故が再発すれば、日本全体が「債務超過」(比喩的な意味です)になりかねないのですから、こんなことは考慮しないで判断してほしいものです。

現時点での会計処理的には、点検中ということであれば、一般には、減損処理する必要はないでしょう。しかし、東電の福島第一原発5~6号機や福島第2原子力発電所などは、操業停止後1年以上経過し、再開する可能性はほとんどないでしょうから、普通に考えれば減損処理になるはずです。

また、もんじゅという原子炉(日本原子力研究開発機構という独法が保有)はできてから発電実績がほとんどない(今後も動く見込みはない)そうですから、これも当然減損処理でしょう。すでに処理済みでしょうか。

核燃サイクル秘密会議:「もんじゅに不利」シナリオ隠蔽(毎日)

「国内では「もんじゅ」が95年12月にナトリウム漏れ事故を起こすなどのトラブルで試験運転が再開できていない。英独など海外では撤退が相次いでいる。」

福島6基も値上げ原価 家庭向け(東京)

「東京電力が、福島第一原発5~6号機と福島第二原発1~4号機の設備維持などのために、毎年九百億円の費用を家庭向けの電気料金の値上げ原価に盛り込んでいることが十二日、分かった。福島第一原発の事故を受け、これら六基の再稼働は非現実的な状況だが、東電が稼働を前提に原価に計上して利用者負担を求めたことに批判が集まるのは確実だ。」
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