会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

多額資金流出の社会福祉法人サンフェニックス、大手傘下で事業継続…広島・岡山・東京に施設(読売より)

多額資金流出の社会福祉法人サンフェニックス、大手傘下で事業継続…広島・岡山・東京に施設

多額の資金流出で破綻した広島県の社会福祉法人「サンフェニックス」(民事再生手続中)が、兵庫県の大手社会福祉法人と同じグループの傘下となり、事業を継続するという記事。

資金流出には会計士がかかわっていたとされています。

「公益性や非営利性が求められる社福は売買や資金の外部流出が認められていないが、サンフェニックスでは、設立者の男性医師(72)と都内の男性公認会計士(58)(昨年10月に業務廃止)が2016年3月、計42億円で経営権の移転に合意した。

会計士が翌4月に理事長に就任した後、会計士が代表を務める医療コンサルティング会社などを経由して、医師が代表となった香港法人に20億円が送られたほか、昨年までの5年間にサンフェニックスなどから医師に計11億円が支払われた。

16年3月に約30億円あったサンフェニックスの預金は昨年9月に約2700万円に減少。サンフェニックスは同月、東京地裁で民事再生手続きの開始決定を受けた。」

会計士が、自分のカネで社会福祉法人の経営権を掌握したのならともかく(その場合も違法だと思いますが)、社会福祉法人が持っているカネでそれをまかなおうとしたとすれば、ひどい話です。しかし、この記事を読む限りでは、不正に流出したカネの多くは、法人設立者の医師の方にいってしまったわけですから、会計士に何の得があったのか、不思議です。結局、会計士は医師といっしょに損害賠償請求の訴訟を社会福祉法人から起こされて、自己破産したそうです。

当サイトの関連記事(関連報道について)(←以前の報道によれば、会計士は、テクニックを駆使して隠蔽を図っていたようです。)

なお、日本公認会計士協会東京会機関誌(2022年4月号)(会員専用)によれば、協会ではこの事件を「社福インシデント」と呼んで、対応を検討したようです。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事