日産自動車の内田誠社長兼CEOがアシュワニ・グプタCOOを監視していたと、執行役員が内部告発したという記事。内部告発したのは、ゴーン氏を裏切ったと言われるハリ・ナダ氏で、4月19日付で独立社外取締役に告発文書を送ったとのことです。
「内部告発があったことは英紙フィナンシャル・タイムズなどが先に報じたが、ロイターがこのほど告発文書を確認、詳細な中身が判明した。グプタ氏への監視、仏ルノーとの関係を巡る経営陣の分裂、ルノーの電気自動車(EV)新会社に知的財産を移転することへの懸念に触れている。ナダ氏は日産の人事、法務、知的財産の各責任者にも文書を送付した。
同文書の中でナダ氏は、内田社長が長期間にわたってグプタ氏を監視したと主張。ルノーとの協議を合意させる上で内田氏はグプタ氏が障害になると考え、排除しようとしたとしている。」
一方、クプタ氏については、ハラスメント疑惑があるそうです。
「ナダ氏の内部告発文書によると、グプタ氏の行動について社内通報が寄せられ、4月10日の週にグプタ氏の行いに関する疑惑を精査し、日産が同氏の退任を求めた。この件の調査はアンダーソン・毛利・友常法律事務所が主導したとしている。関係者3人によると、通報は女性従業員からで、グプタ氏によるハラスメントを訴える内容だった。
関係者1人によれば、疑惑が持ち上がったのは3月。日産がグプタ氏の退社を発表した時点で調査は終わっていなかったという。ロイターはハラスメントの具体的な内容や調査結果を独自に確認できなかった。同事務所にも尋ねたが、コメントを控えた。」
ナダ氏の告発については...
「アライアンスを組む日産とルノーの関係が変わろうとする中で、ナダ氏が日産トップを告発するのはこれで2回目。5年前に司法取引でゴーン元会長の捜査に協力した当時、ナダ氏はゴーン氏がルノーと日産の経営統合を検討していることに懸念を示していた。ゴーン氏の共犯として起訴されたグレッグ・ケリー元取締役の裁判では、日産の利益を守るためにルノーとの合併を阻止しなければならないと考えていた、と証言している。
日本での裁判を免れるためレバノンに逃亡したゴーン氏は、金融商品取引法違反の罪などに問われた一連の「事件」の実態は、経営統合を警戒したナダ氏を含む日産幹部によるクーデターだと繰り返し主張してきた。
ナダ氏は今回、内田社長が自身で「裏交渉」と呼ぶデメオCEOとのやり取りの中で譲歩や約束をし、権限を逸脱したと告発文書の中で指摘している。ナダ氏は2つの例を挙げており、いずれも知的財産の条項に絡むものだった。」
「ナダ氏は文書の中で、内田氏がルノーのEV新会社に最大15%の出資を決めたことについても、戦略的な根拠がなかったと批判しており、独立した財務アドバイザーに依頼し、この出資を検討し直すよう求めている。」
ゴーン氏を追い出して、ガバナンスは正常化したはずなのでは。
日産・ルノー、最終契約遅れ 出資比率見直し、当初は3月末(日経)(記事冒頭のみ)
この記事では、内部告発について、ちらっとふれているだけです(会社への忖度?)。
日産ゴーン事件関連記事。
カルロス・ゴーン被告10億ドル損害賠償求める訴訟「クーデター起こした人罰するため」(テレビ朝日)(ゴーン氏へのインタビュー動画あり)