金融庁長官が記者会見で、NOVAの監査法人に法令上不適正な行為があれば、厳正に対処していく可能性を示唆したという記事。
具体的にどういう点が問題になっているのかはわかりませんが、これまでの報道から推測すると、授業料の会計処理(45%即時収益計上)と、2007年3月期において生徒に対する解約返金引当金が十分だったかの2つの論点があるようです。(その他、当期の第1四半期決算も疑問視されていますが、監査報告書は出ていないので関係ありません。)
まず、授業料の会計処理については、有価証券報告書の会計方針の注記に以前から記載されているわけですから、当局がおかしいと思えば、いつでも会社や監査人に根拠を聞くことができたはずです。その際にウソの説明をしていたのであれば別ですが、説明に納得して、訂正を求めなかったのであれば、いまさら蒸し返すのは無理があります。まったく調べていなかったとすれば、当局の怠慢でしょう。収益認識に関する会計基準の整備を放置してきたことも問題です(会計士協会や企業会計基準委員会の責任でもあります)。
後者の点については、よく事情を調べないとわかりませんが、経済産業省による会社に対する厳しい処分は6月に入ってからの話であり、監査報告書を発行するまでに解約の急増が生じていたか、生じていたとして引当金の見積もりに織り込むことができたか、といった点が追及されるのでしょう。
さらに監査人の交代について、その際の引継手続が適切に行われていたかという手続的なところを問題にするのかもしれません。
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