三木義一・青山学院大学長へのインタビュー記事。
後半の税制改正に関する部分より。
「ーーそれでは、今回の政府税制改正大綱はどう受けとめていますか
「中途半端な増税をやって、大きな議論を避けている印象。財政が逼迫していて高所得者にある程度の負担増を求めるのは理解できるが、利子や配当収入が大きい一部の富裕層に対する課税について強化する議論がなかったのは残念だ。
そして源泉徴収に慣れたために税金について考えがあまり及ばないサラリーマンが増税される。年収850万円超の所得がある会社員は増税となるが、この数字を決める過程で明確な根拠もなく、バナナのたたき売りのように決まった。公平・公正な課税を目指す観点からどのように見直していくべきかという基本的な戦略を欠いたものと言える」」
このほか、国際観光旅客税や森林環境税には批判的です。
消費税の軽減税率について、メディアを批判した部分。
「ーーメディアも軽減税率には賛成の声ばかりですね
「新聞が軽減税率の対象になるよう報道し、軽減税率の批判をしなかった。メディアの論調は様々だけど、この点についてはほとんど一致しているように感じる。また、よくメディアから税制に関するコメントを求められるが、軽減税率についてのコメントはばっさり削られる(苦笑)。メディアがそういうことをしてはいけないと思うのだけどね」」
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