1億5000万円あまりの使途不明金発覚…文化振興財団・元経理担当の男 追起訴の内容認める
当サイトでも何回か取り上げた山口県の周南市文化振興財団の使途不明金問題(→当サイトの関連記事)の刑事裁判の記事。元職員の男が被告となっていますが、新たな容疑で追起訴されたそうです。
「18日に開かれた元経理担当の男の裁判で、男は社債の残高証明書を偽造した罪で新たに起訴された内容を認めました。
有印私文書偽造・行使の罪で追起訴されたのは、周南市文化振興財団・元職員の男です。
起訴状によると男は、財団保有の社債が株式に転換され、その株式の評価額が取得した金額を下回っていたことからこれを隠そうと企てました。
2021年と22年の会計監査時、社債の残高証明書を偽造し、会計監査の監事に提出したとされます。」
「社債が株式に転換」というのは、いわゆるEB債のことでしょうか。そもそも、そんな複雑でリスクの高い(かつ販売する側が大きく儲けられる?)金融商品は、取得すべきではなかったのでしょう。
社債の残高証明書を偽造したというのは、株式に転換されたら、転換時の株式時価で新たな金融商品を取得したことになり、社債の簿価との差額は損失になってしまうので、それを避けたかったのでしょうか。
(最初からデリバティブ部分を分けて会計処理していれば別ですが、その場合は、デリバティブの評価損が計上されるので、損失計上という点では同じです。)
EB債(他社株転換可能債券)の特徴やリスクとは?(日本証券業協会)
「EB債(イービー債:エクスチェンジャブル・ボンド)とは、「他社株転換可能債」といわれる複雑な金融商品です。 本商品は債券であるにもかかわらず、償還日までの株価変動によっては、満期日に金銭(償還金)が支払われる代わりに、当該債券の発行者とは異なる会社の株式(他社株)が交付される場合もあります。
EB債は、複雑な仕組みの金融商品ですので、商品の特性についてしっかりと説明を受け、十分に理解した上で、購入しましょう。」