米電気自動車テスラによる米ソーラーシティ(テスラのCEOであるマスク氏の親族らが設立しマスク氏も出資していた会社)への投資に関する株主代表訴訟に関する記事。利益相反取引が疑われているようです。
「訴訟は、テスラがソーラーシティーを2016年に買収した際、マスク氏がテスラの取締役会に圧力をかけ、結果としてソーラーシティーにより多くの投資を実施せざるを得なくなったと指摘。ソーラーシティーはマスク氏の従兄弟らが設立した企業で、テスラによる買収当時、マスク氏はテスラとソーラーシティーの株式それぞれ22%を保有していた。」
マスク氏が出廷し反論したそうです。
「この日から2週間の日程でデラウェア州のウィルミントンで始まった裁判にマスク氏はスーツ姿で出廷し、テスラの取締役会を意のままに操ったことはないと証言。テスラのCEOを務めたくないが、自身が去れば「テスラは死んでしまう」ため、務めざるを得ないと述べた。」
より詳しい記事。
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イーロン・マスク氏がSolarCity買収に関する訴訟で買収の正当性を主張(TC)
原告側の言い分は...
「2017年にデラウェア地方裁判所に提出された訴状では、SolarCityが買収当時、破産に近い状態だったと主張している。SolarCityの取締役会長で最大株主だったマスク氏は買収の恩恵を直接受け、同氏の一部の友人や家族も同様だったとも申し立てている。SolarCityの創業者のLyndon Rive(リンドン・ライブ)氏とPeter Rive(ピーター・ライブ)氏はマスク氏のいとこだ。
SolarCityは「一貫して利益を上げるのに失敗し、増大する債務を抱え、持続不可能なレートで現金を使った」と原告は主張している。訴状にはまた、SolarCityが10年で30億ドル(約3310億円)超の借金を抱え、その半分近くの返済期限が2017年末だったともある。Teslaによる買収は株主の85%が賛成して承認された。」
原告側は、経営者が自分の関係していたぼろ会社を高値で買収させて、会社に損害を与えたという主張のようです。買収する側であるテスラの取締役会が中立的に討議していれば問題はないのでしょうが、テスラ氏が影響力を行使して結論をゆがめたという主張なのでしょう。
他の役員は和解により多額の和解金を支払っているそうです。
「訴状に名前が挙がっている他の役員メンバー、Robyn Denholm(ロビン・デンホルム)氏、Ira Ehrenpreis(アイラ・エーレンプレイス)氏、Antonio Gracias(アントニオ・グラシアス)氏、Kimbal Musk(キンバル・マスク)氏、Stephen Jurvetson(スティーブン・ジャーベンソン)氏は2020年6000万ドル(約66億円)、そして弁護士費用と訴訟費用の1680万ドル(約19億円)を保険で支払うことで和解した。マスク氏が唯一の被告となった裁判は新型コロナウイルスパンデミックのために1年延期されていた。」
米国企業のコーポレートガバナンスもけっこう問題があるようです。
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