スカイマークの決算短信に継続企業の前提に関する注記が付いたという記事。
「国内第3位の航空会社スカイマークは31日に発表した2014年4~6月期決算(単体)に「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる状況が存在している」と注記した。円安に伴う燃料費の高騰や格安航空会社(LCC)との競争激化で業績が低迷。欧州航空機大手エアバスとの間で超大型旅客機「A380」の売買契約見直し交渉が暗礁に乗り上げ、売買契約の解除を通告されたため、巨額の違約金の負担が発生する恐れがあることなども反映した。」
また、別の記載で前払金の返還可能性についてふれています。
「発注していた6機のA380の購入代金の前払い金として納付済みの約260億円は「全額が返還されない可能性がある」と記した。」
スカイマーク第1四半期決算短信(PDFファイル)
「継続企業の前提に関する注記」では以下のように記載しています(後半部分のみ)
「また、当社はAIRBUS S.A.S.社(エアバス社)と計6機のA380型機の購入契約を締結しておりますが、平成26年7月25日に、当該契約について解除する旨の通知をエアバス社より受けております。
本件については、エアバス社より多額の解約違約金の支払いを求められておりますが、当社としましては当該解約違約金の金額に合理性がないと考えており、法的手段も視野に入れながら、対応策の検討を行っております。しかしながら相当金額の解約違約金を負担せざるを得ない可能性もあり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社は、当該事象を解決すべく法的助言を得ながら対応策の検討を行っておりますが、現時点では継続企業に関する重要な不確実性が認められます。」
前払金については「業績予想などの将来予測情報に関する説明」のところでふれています。
「なお、当社がエアバス社に支払済みである前払金(約260億円)については全額が返還されない可能性があり、その他の部分に係る影響についても現時点ではその額を合理的に見積もることが困難であることから、当財務諸表には反映されておりません。」
「全額が返還されない」という箇所は、読んだだけでは「1円も返還されない」という意味なのか、それとも、「全部は返還されないが一部は返還される」という意味なのか、よくわかりませんが、たぶん前者なのでしょう。
今後、外部監査人による四半期レビューを経て、四半期報告書を提出することになるわけですが、継続企業の注記をつけるだけで、前払金や違約金については、何も会計処理しないで認めるのか、それとも、何らかの損失処理をさせるのか、また、レビューの結論では無限定とするのか、それとも限定をつけるのかなど、非常に難しい判断を迫られそうです。
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