会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

いかに「伝わる」工夫をするか“情報爆発”時代の企業情報開示と対話(PwCより)

青学教授とPwCの専門家が提言 いかに「伝わる」工夫をするか“情報爆発”時代の企業情報開示と対話

企業開示において、膨大な情報をいかに伝えるかについて、大学教授とPwCの人が対談した記事。PwCのテキストマイニング関連のサービスの宣伝のようです。

気になった箇所を引用させてもらうと...

「矢澤氏:国内全上場企業の有価証券報告書を過去にさかのぼって分析してみたのですが、企業が開示する情報の量は30年間で約3倍に増えているようです。法定開示だけでなく、統合報告書などの自主開示も含めて、爆発的に増加しています。我々研究者は、このトレンドを“情報爆発”と呼んでいます。

さらに、以前は財務諸表に計上される会計数値などの財務情報が中心だったのですが、最近は企業の経営方針や戦略、リスク、ガバナンスといった記述情報、つまり「言葉(テキスト)による情報」が増えているのが特徴です。」

「矢澤氏:...テキストマイニングを用いることで、「知りたい情報」を探し出す作業負荷を大幅に軽減するだけでなく、最近では書かれている内容の「読みやすさ」(可読性)や「センチメント」(トーン)の分析、機械学習による不正判定なども行えるようになりました。つまり、抽出した記述情報が伝わりやすい表現になっているか、ポジティブな印象を与えているかといったことも評価・分析できます。」

「矢澤氏:過去15年ほどの有価証券報告書を分析した際、MD&A(経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュフローの状況の分析)の文言は年々読みやすくなっているのに対して、リスクに関する記述はボイラープレートが少しずつ増えていることが分かりました。」

「矢澤氏:もう1つ、最近の法定開示の傾向を分析して明らかになったのは、開示資料内に図版が増えていることです。企業は、重要な内容は文章で書くよりも図版で簡潔に示そうと考えているのかと思いますが、機械を用いて図版の文字を認識し、その意味を読み解くことはかなりハードルの高い作業となります。その結果、企業側が「伝えたい情報」が抜け落ちてしまうという問題が生じます。」

「矢澤氏:人間に読んでもらうことが前提の場合は、図版の多用は望ましいかもしれませんが、AIに解読してもらうためには、むしろ図版の多さを追い求めるのではなく、検索可能性を高めるほうが良いですよね。さらに、センテンスを短くし、主語と述語の関係を明確にするなど、可読性を高める工夫も重要です。」

人よりも、AIを意識した書き方が必要になるのかもしれません(図版に時間をかけるのは無駄?)。ほとんどAIしか読んでくれないのも寂しいですが...。
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