『IFRS会計学基本テキスト』の著者の1人である橋本教授に、IASBとISSBに関する動向や、この本の改訂内容などを聞いた(宣伝?)記事(一般向け)。
会計基準に関するプロジェクトについて...
「IASBのプロジェクトは、主に「研究プロジェクト」、「基準開発プロジェクト」および「維持管理プロジェクト」の3つから成りますが、IASBは、「より良いコミュニケーション」をテーマとする一連のプロジェクトの一環で、主に損益計算書とキャッシュ・フロー計算書の表示の比較可能性と透明性の改善のための見直しを進めています。損益計算書に関しては、①営業利益、②営業損益ならびに不可分の関連会社および共同支配企業から生じる収益・費用、③財務および法人所得税前利益の3つの小計(段階利益)の表示を求めることなどを検討しています。キャッシュ・フロー計算書に関しては、営業活動からのキャッシュ・フローの間接法による調整開始項目を営業利益とすることや利息と配当の表示区分の選択肢をなくすことなどを検討しています。これらが新しいIFRS会計基準として公表されれば、基本財務諸表の様式が大きく変わることになります。
また、IASBは、わが国でも関心の高いのれんの事後の会計処理や企業結合に関する開示の改善の可能性(のれんの減損テストの有効性の改善の可能性やのれんの規則的償却の再導入の是非)についても検討しています。2020年3月公表のディスカッション・ペーパー(DP)では 現行の減損のみのアプローチを維持する案をIASBの予備的見解としつつも、のれんの規則的償却を導入する案についても触れており、今後の動向が注目されます。」
サステナビリティ開示基準についてもふれています。
専門的に調べるためには、もっと詳しい解説書や基準そのものにあたらないといけないと思いますが、概要を知るには、よい本だと思います。値段も、財務会計の普通の教科書と同じくらいです。
(定価:3,850円(税込))