日経平均に採用されている3月決算会社(186社)の有価証券報告書の記述から、新型コロナの影響が続く期間を企業がどのように見ているかを取り上げたコラム記事。
「2020年3月期の有価証券報告書では、「会計上の見積り」という項目において、新型コロナウイルス感染症の収束時期等の仮定に関する記載が見られた。企業会計基準委員会(ASBJ)や金融庁が、会計上の見積りを記載する上で、新型コロナウイルス感染症に関する一定の仮定を置く必要があるとの見解を示しているためだ。」
「2021年3月期の第2四半期(2020年7月~9月)まで影響が続くとみる企業と第4四半期(2021年1月~3月)まで影響が続くとみる企業が比較的多い。業種によって違いがあり、例えば食品や商社等の業種においては収束時期を早く見込む一方で、自動車等では遅く見込んでいた。また、2022年3月期以降も影響が継続すると想定する企業も見られた。
投資家等にとって重要なのは、こうした仮定について幅をもって見ることである。仮定された収束時期には影響がなくなると信じ込むのではなく、あくまで投資判断の目安とすべきだろう。一方、企業側としては、もし見積りや仮定において重要な変更が生じた場合には、その内容を四半期報告書などでできるだけ早く投資家等に伝える必要があろう。」
詳しくは記事のグラフをご覧ください。
何をもって収束といえるのかは微妙ですが、新規感染者数をみると横ばい状態であり、まだまだ収束は遠そうです。政府も「withコロナ」といっているぐらいですから、今のような状態が何年か続くのかもしれません。また、日本国内で少し落ち着いていても、海外では感染者が増えているようです。
少なくとも、影響は第2四半期までと見込んでいた企業は、第2四半期の四半期決算では、見積りを見直すことになるのでしょう。それは、見積りの変更であり、過年度の決算が間違っていたということにはならないのが原則です。もちろん、コロナの影響が少ない企業やコロナが収束しなくても稼げるようになった企業もあるでしょうから、コロナ収束時期だけで業績が決まるわけではありません。
【新型コロナ】世界の感染者数、4000万人突破-欧州と米中西部で急増(ブルームバーグ)
「世界の新型コロナウイルス感染者数が累計で4000万人を突破した。欧州と米国の中西部で感染拡大が加速した。
感染者数が1000万人に達するのには6カ月を要したが、3000万人から4000万人になるのにはわずか32日しかかからなかった。世界での1日当たりの新規感染者は16日に41万5000人超と過去最多を更新していた。」
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