株主総会と有報提出の直後に発表された三菱電機不正検査問題の記事。
これによると、経営者が問題を把握したのは6月中旬だったそうです。
「不正については、課長クラスまでは認識していた人がいたが、経営トップマネージメントまでは伝わっていなかったという。
空調装置の不正が分かったのが6月14日だったにもかかわらず、29日に開いた株主総会では一切説明がなかった。総会前日の28日に空気圧縮機にも不正検査が発覚したこともあり、杉山社長は「(事実調査が)不十分な状態で株主総会で話すことはふさわしくないと判断した」と説明。しかしながら、経済産業省などには説明を行っており、「株主総会で情報を出さなかったのは反省すべき点があった。株主総会で話すべきだった」と反省を口にした。」
29日に提出された有価証券報告書でも、まったくふれていません。
明らかに後発事象の注記漏れになるのでは。社長がクビになるくらいの問題であり、また、現時点で見積もり困難だとしても財務的な重要性はあるでしょう。金融庁(監視委)の判断が注目されます(といって何もしないと思いますが)。
また、経営者確認書にも、重要な後発事象は注記済みのもの以外にはないと書かれているでしょうから、うそを書いた(監査人もそれに騙された?)ということになるのでしょう。
ここでも経産省が登場しています。説明を受けたのなら、適時に開示するように指導すればよいのに...。
三菱電機社長、引責辞任を表明 問題続き「責任を痛感」(朝日)
「複数の関係者によると、この不正をめぐっては架空データを自動的につくる「専用プログラム」が使われていた。適正な検査をしているように見せかけようとしていたとみられる。組織的な不正が続いていた疑いが強まっている。」
監査しなくても架空監査調書を自動的につくる「専用プログラム」があれば...。
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