会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

米金融大手、サブプライム損失4兆1千億円超

米金融大手、サブプライム損失4兆1千億円超

米金融大手10社のうち18日までに08年第1四半期決算を発表した9社のサブプライム関連損失の合計が、400億ドル(約4兆1千億円)を超えたという記事。07年第4四半期の10社合計より300億ドル少ないそうです。

日本の金融機関の場合は、この3月期でどれだけ損失を出し切るかが注目されます。欧米の金融機関が損失処理のメドをつけたころに、多額の損失を計上するようなことのないようにしてほしいものです。

サブプライム:英政府などが金融機関に10兆円支援へ

金融機関が保有する不動産担保証券などを英政府発行の証券と交換する内容の支援策を、英政府と英中央銀行のイングランド銀行が近く発表するという記事。

「英政府などによると、新たな救済策は、買い手がつかなくなった不動産担保証券と英政府証券を交換し、金融機関による現金化を容易にするもの。金融機関は、原則として1年後には不動産担保証券などを買い戻さなければならないが、3年まで延長できる仕組みにするという。」

国際会計基準上の扱いはよく知りませんが、会計処理としては、オフバランスできるかが気になります。オフバランスしたとしても、証券の時価がさらに下がれば買い取り義務について引当をする必要があるでしょう。

会計処理がどうあれ、金融機関の資金繰り対策にはなります。

サブプライム関連損失、シティ1兆6000億円・1―3月

英RBSが8300億円損失計上へ・英紙報道

住友信託、前期のサブプライム損失800億円に拡大

補足:

Bank of England Outlines Its Bailout Plan

こちらの記事には、イングランド銀行による救済策が少し詳しく出ています。売却が難しくなった有価証券を政府債券と交換し、金融機関はそれを使って信用を拡大させるという仕組みです。

「Under the plan, banks will deposit the securities, which have become difficult to sell since the credit markets began to tighten in August, in the central bank as collateral but at a discount. In return, they will receive easily tradable government bonds, which the Bank of England hopes will be used to expand lending, in particular among banks themselves.」

ただし、預託した有価証券が値下がりすれば、その損失は金融機関側が負うようです。

「Banks themselves will have to bear the loss if the securities on deposit decline in value, the central bank said. 」

したがって、おそらく損益上は有価証券を保有し続けるのとほぼ同じ結果となりますが、資金繰り上は余裕が出てくることになります。
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