(少し前の記事ですが)椿本興業の架空取引事件を取り上げた記事。
不正の背景を説明した部分・・・
「椿本興業が設置した第三者委員会の調査報告書によると、××容疑者は入社以来、中日本営業本部(現・名古屋支店)で勤務。課長職になって以降は20年間、一貫して、工場やプラントなどの設備を扱う装置営業部門を歩み、常に取引の発注や工事代金の支払いを決裁する権限を持っていた。
管理職となってからは取引の直接の担当者になることはできなかったが、部下の発注番号を使い、架空取引を行っていた。社内報告の際にも、自分で処理したことを隠蔽するために、部下の名前を使っていたという。
社内外での評価は高く、装置営業のキーマンとみられていた。不正発覚後も周囲からは「まさかあの人が」という声が漏れた。」
会社ぐるみではないにせよ、現場レベルのマネジメント・オーバーライドがあったということでしょうか。また、上場会社の管理職で、見るからに不正をやっているというような人はまずいないので、不正が発覚した場合にはだいたいが「まさかあの人が」となります(監査人にとっても同じ)。
最初から架空取引と分かってやっていた会社以外に、マージンをエサに、巻き込まれてしまった会社もあったようです。(川端エンジニアリングは、椿本興業内の首謀者と共謀していた会社)
「循環取引に加わった会社は椿本興業、川端エンジニアリング以外に7社あったとされる。これらの会社に、××容疑者は「川端エンジニアリングの発注枠が決まっているため間に入ってほしい」と循環取引に加わるよう依頼していた。7社には、循環取引を行われるたびに、報酬として取引額の数パーセントのマージンが支払われたという。
循環取引でからくも倒産の危機を免れたことに味を占め、××容疑者らは、その後も循環取引を繰り返しながら、工事代金の着服を続けていた。
しかし、自由に金を生み出す“魔法のシステム”は23年、取引に加わっていた企業が、帳簿上、架空の在庫を大量に抱えている問題が発覚し、崩壊への道をたどり始めた。」
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その2(第三者委員会の報告書はこちらから)
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