会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「チケキャン」家宅捜索!ミクシィお仲間買収で墓穴(FACTAより)

「チケキャン」家宅捜索!ミクシィお仲間買収で墓穴

マザーズ上場のミクシィの子会社が、不正競争防止法違反容疑などで強制捜査を受けた件を取り上げた記事。この子会社を買収したときの経緯にも問題があったようです。

「実はミクシィが、チケット転売ベンチャーのフンザを115億円で買収したのは2年前の15年3月。フンザの創業は、その2年前の13年3月であり、14年12月当時のチケット流通総額は約8億円だった。

創業わずか2年(従業員15名)のフンザに115億円を投ずるのは、いかにも「高値摑み」だが、ミクシィの森田仁基社長(41)は買収当時、チケットのフリーマーケット市場で3年以内に50%以上のマーケットシェアを目指し、5年後には35~40億円の営業利益を稼ぐと豪語していた。森田社長の強気が高額に繋がったが、関係者は「森田社長とフンザの笹森社長は以前から親しく、個人的関係がもたらした買収案件だった」と打ち明ける。実はフンザの取締役で株式を保有する生田将司も元ミクシィ取締役であり、文字通り内輪で固めた買収劇だった。

当時はメルカリなどのスマホのフリーマーケットアプリが急成長し、注目を集めていた。ちなみにメルカリの小泉文明社長(37)も元ミクシィ取締役だ。チケキャンは「ネットダフ屋」のイメージがあったが、トップ同士の親密さが後押しして高額買収に踏み切ったのだろう。」

「関係者によれば、フンザの買収交渉では、14年夏の想定買収金額の数十億円が15年3月には100億円以上に吊り上がり、買収に反対した関係者は案件から遠ざけられていったという。ミクシィ側で買収を担当したのは入社間もない寺谷祐樹であり、その後、寺谷はフンザの取締役に就任している。」

「関係者は「あの頃、ミクシィ社内の組織が大きく変わった時期であり、経営陣はフンザのコンプライアンス上の問題をしっかり検討していなかったのではないか」と指摘する。フンザの買収にはデューデリジェンス(買収監査)費用として5200万円が計上されたが、法的リスクが高いという理由で懇意にしていた外資系コンサルがアドバイザーを断り、別の外資系金融機関が手掛けたという。

ちなみに115億円で買われたフンザの株式保有比率は、前社長の笹森良58.1%、生田将司(元ミクシィ取締役)25.3%、前取締役の酒徳千尋16.6%だった(笹森と酒徳は12月27日付で引責辞任)。」

会社発表によれば、第三者委員会の報告書を2月7日に受け取ったそうです。報告書の内容はまだ明らかにしていません。

第三者委員会の調査報告書受領につきまして(ミクシィ)(PDFファイル)

昨年末に調査委員会の調査報告書を受領しています。法律違反の内容について調べているようで、買収のいきさつなど背景についてはふれていないようです。

調査委員会の調査報告書受領および今後の対応につきまして(ミクシィ)(PDFファイル)

調査報告書受領と同時に損失計上を発表しています。

特別損失の発生および業績予想の修正に関するお知らせ(ミクシィ)(PDFファイル)

「(1) 連結決算

当社は、平成 29 年 12 月 27 日付の「調査委員会の調査報告書受領および今後の対応につきまして」にてお知らせいたしましたとおり、本日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社フンザが運営するチケットキャンプの業務を完全に停止し、サービス提供を終了することを決定いたしました。これにより、第3四半期において、のれん償却費 7,597 百万円、固定資産の減損損失 131百万円を特別損失として計上いたします。

(2) 個別決算

個別決算におきましては、上記サービス提供終了の決定により関係会社株式評価損 11,573 百万円を特別損失として計上いたします。」
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