大手監査法人の新しい監査手法や研修方法を紹介した記事。本当にどこまで実務に取り入れられているのかなあと感じますが...
「あずさ監査法人は個別の会計仕訳の異常度合いをスコア化し、「レア度ランキング」として現場の監査人にアラートを出す仕組みを取り入れている。通常とは違う費用項目からの支出や、決裁者や曜日が従来と異なる場合などが一目でわかる。監査先の拠点の住所から衛星写真を自動的に取得し「売り上げは何億円もあるのに現地は更地なようだ」といった不正の端緒を測定するシステムもある。」
「「不正スコアが妙に高いな」。監査法人トーマツは22年1月から、過去の不正傾向をAIで分析し、不正パターンとの類似性をスコア化するモデルを導入した。
「棚卸資産回転期間」や「売上債権回転期間」が急に長くなっている場合などに「何年何月に起きた事例と酷似している」と現場の監査人にアラートを出す。資産を膨らませて見せるのは典型的な会計不正の手法だからだ。既に約30社の上場企業の監査で導入されており、今後2年で100社以上に広げる予定だ。
デロイトトーマツは音声データの感情を解析して、会話に虚偽が含まれていないか判定する仕組み作りにも乗り出した。従来、不正の兆候の発見は「経験とカン」に頼る部分が大きかったが、経験の少ない若手のレベル底上げにつながる可能性がある。ゴーグル型の仮想現実(VR)端末で、遠隔で棚卸資産などを確認する監査法人もある。」
「PwCジャパングループは若手監査人育成の一環として、仮想現実(VR)技術を使った映像コンテンツによる研修を始めた。従来型の職場内訓練(OJT)が難しくなっているのが背景だ。
「お前が担当している企業がニュースになってるぞ」。チェックの甘さから不正会計が発覚する流れを、現場の感覚で体験できる仕組みだ。「帳簿上はあるはずのない在庫が倉庫にあるといった『背筋が凍るような体験』が監査人には必要」(PwCあらた監査法人)との考えから、コンテンツ数を増やしている。
従業員のメールや録音した音声などデジタルデータを網羅的に解析して真相を調べる「デジタルフォレンジック」も注目を集めている。従来はコストの高さから、不正発覚後に使うことが多かった。PwCジャパングループは企業が平時からメールを解析できるシステムを開発したところ、すでにある上場企業から活用したいとの声がかかり、試験運用中という。」
未出荷売上ぐらいで背筋が凍るようでは、まだまだ修行が足りないという意見の大ベテランもいるでしょう。
最近の不適切会計の状況(「見つかっていない不正が埋もれている可能性が高い」(会計士コメント)、グレイステクノロジーやEduLabの例、「経営者が最初から監査人をだます意図で不正をされると、正直なところ見抜くのは極めて難しい」(大手監査法人パートナーのコメント)、「IPO監査はハイリスクローリターン」(大手監査法人幹部コメント))などにもふれています。
そのほか、新日本の「IPO認定者」制度、IPO監査の適正報酬水準への転換なども取り上げています。
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