情報開示の欠如などをナスダックが問題視
不正会計疑惑が出ている中国の新興カフェチェーンの瑞幸珈啡(ラッキン・コーヒー)が、アメリカのナスダック市場の上場資格審査部門から上場廃止の通告を受けたという記事。
「同社は4月2日、2019年12月期の売上高のうち22億元(約334億円)が不正に水増しされていたと自ら公表。実態解明のための社内調査に着手したが、結果はいまだ開示されていない...。
ナスダックからの通告は5月15日付で、上場廃止には主に2つの根拠がある。第1に、ラッキンの不正会計が(ナスダック上場企業の質や信頼という)投資家の公共の利益に懸念を生じさせたこと。第2に、不正会計を公表した後の投資家に対する情報開示が不十分であることだ。
ラッキンは通告を不服としてナスダックに聴聞会の開催を申し立てた。聴聞会は一般的には申請から30~45日以内に開かれる。そして最終的な結論が出るまで、ラッキンの株式は市場での取引が継続される。」
米国上場企業の不正会計疑惑への対応として厳しめなのかどうか、米中対立の影響はあるのかなどは、よくわかりませんが、聴聞会を開いて弁明の機会を与えるわけですから、それなりに公平な手続を踏んでいるのでしょう。
当サイトの関連記事(米国上場の中国企業の不正会計について)
米国で上場している中国企業といえば...
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アングル:ソフトバンクGに米中リスク浮上、アリババ株に影響も(ロイター)
「「最悪の場合、上場廃止となるのではないか」──。そんな恐怖が市場に広がる中、同法案の上院通過が伝わった後、アリババの株価は軟化。22日には6%近く下落した。SBGの株価は小動きだったが、保有するアリババ株は21日に約3000億円、22日に約9000億円、それぞれ減少し、SBGの株主価値も目減りした。」
「アリババは昨秋、香港市場にも重複上場した。仮に米市場で上場廃止になっても、すべてのマーケットで売買できなくなるわけではない。東洋証券のキョウ静傑アナリストは「ADR(米国預託証券)しか上場していない他の中国企業より融通が効く」と指摘する。
アリババ自体の業績も堅調だ。22日に発表した第4・四半期(1─3月)決算は、市場予想を上回る22%の増収で、利益も予想を上回った。新型コロナウイルスの影響によるロックダウン(都市封鎖)に伴うインターネット通販需要の拡大が寄与した。
SBGの関係者は、米市場での上場に制限がかけられたとしても「アリババの本質的な価値に変化があるわけではない」と冷静だ。短期的にNY上場の株価が悪影響をうけたとしても、アリババ株に価値がある以上、「中長期的には裁定が働き株価は戻る」と話している。」
アリババ決算に見る「在宅消費」勝ち組と負け組
投資先の価値下落で1~3月期純利益は88%減(東洋経済)
「1~3月期の純利益は前年同期比88%減の31億6200万元(約447億円)と、市場の事前予想を下回った。最大の要因は投資先企業の価値が下落して多額の減損を迫られたことだ。これを受け、アメリカのニューヨーク証券取引所に上場するアリババ株は前日の終値より一時6%以上値下がりした。」
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