金融庁は、金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件を一部改正し、「中間財務諸表に関する会計基準」を一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に指定したそうです。
従来の四半期会計基準の扱いなど、詳しくは、週刊経営財務2024年4月15日号をご覧ください。
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件」等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について(2024年3月29日)(金融庁)
新旧対照表を見ると...
四半期会計基準は抹殺されてしまいました。
パブリックコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方という資料によると、四半期会計基準を除外すべきではないとか、慎重にやるべきといったコメントが複数あったようです。
それに対する金融庁の考え方は...
「財務諸表等規則では、金融商品取引法の規定により提出される財務諸表の用語、様式及び作成方法を定めており、同規則に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとしています。そして、企業会計基準委員会が作成・公表を行った企業会計の基準のうち、公正かつ適正な手続きの下に作成及び公表が行われたものと認められ、金融庁長官が告示指定したものが、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するとされています。
このように、財務諸表等規則においては、「金融商品取引法の規定により提出される財務諸表」を作成するうえで必要となる企業会計の基準を告示指定することとされ、法制度上、四半期報告書制度が廃止となる以上、その作成基準である四半期会計基準については指定から除外されることとなります。
四半期会計基準については、上記の指定からの除外という事実のみをもって、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準として実務の中で取り扱われなくなることは想定しておりません。
なお、期中レビュー基準における「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」は、財務諸表等規則に基づき金融庁長官が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとして告示指定した企業会計の基準に限られるものではなく、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準として実務の中で取り扱われる企業会計の基準も含まれるものと考えております。」
ASBJの考え方はどうかというと、「中間財務諸表に関する会計基準」等の公表時のASBJ資料によると
「なお、金融商品取引法上は四半期報告書制度が廃止されるが、上場会社においては引き続き取引所規則に基づき第 1・第 3 四半期決算短信の報告が行われるため、今後、期中財務諸表に関する会計基準等の開発が行われるまでの間、四半期会計基準等は適用を終了しないことを予定している。」
とされています。
いずれにしても、まだ廃止されていないASBJ会計基準を、金融庁が指定会計基準から外すというのは、珍しい(初めて?)ことです。