東証1部上場でつい最近まで住友電工の連結子会社でもあったネットマークスが、同社社員による不適切な取引の存在が判明し、04年3月期~前07年3月期決算に修正の可能性が生じる恐れがあると発表したため、同社の株価が大幅に下落したという記事。
過年度決算及び平成19 年3 月期決算内容の疑義に関するお知らせ(PDFファイル)(ネットマークスのプレスリリース)
これによると、過年度売上の減額修正が見込まれています。急激に不正な売り上げ計上が増えています。
平成16 年3 月期:585 百万円
平成17 年3 月期:1,453 百万円
平成18 年3 月期:3,410 百万円
また、売上総利益が、最大約1,013 百万円(累計額?)減額修正されるようです。
これ以外に、不正な取引に絡んで2007年3月期中にソフトウエア購入費として無形固定資産に計上したもの(償却前で421百万円)があります。当期になってから仮払処理しているもの(670百万円)もあります。
住友電工にとっては、連結子会社で不正な決算をやっていたということですから、インターネット総合研究所とIXIの関係と同じです(つまり重要性を無視すれば住友電工の連結決算も過年度修正する必要がある)。もっとも住友電工の規模からすればインターネット総研の場合のような大問題にはならないと思いますが、インターネット総研の場合は買収によって子会社化したのに対し、ネットマークスはもともと住友電工の子会社だったようですから、親会社としての責任はインターネット総研の場合より重いともいえます。
子会社の異動に関するお知らせ(住友電工のプレスリリース)
ネットマークスは、不正経理の発表の直前に日本ユニシス株式会社がTOBにより買収して子会社化(6月7日より)しています。このことと不正経理の公表とはタイミング的に何か関係はあるのでしょうか。いずれにしても、株式を売却したからといって、子会社だった期間の決算についての責任が消えるわけでもありません。
探してみるとこういう記事もありました。
デジタルデザインが日本IBMとネットマークスを提訴
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